反り返り蕊を護りぬシクラメン
毎年十一月に館林の人からシクラメンをいただく。とてつもなく立派な鉢だ。それから数ヶ月間、ぼくはシクラメンを楽しむことになる。真っ赤な花弁が密集し、直立しているシクラメンには独特の美しさがある。忘れないように気をつけてはいるのだが、時々水をやり忘れる。するとたちまち、全部の花がヘナって倒れてしまう。慌てて溢れるほどの水を与えると数日で元に戻り、胸を撫で下ろす。しかし、人間の体と同じで一度痛めた体は完全には元に戻らない。そんな管理の悪さもあり、四月の声を聞く時には、既に花は乱れている。教えていただいた通りにへたった花や葉っぱを丁寧に取り除くと、次から次へと花芽が首をもたげることがわかった。




