おじちやんの形見纏ひぬ弥生かな
3月11日。東日本大震災から14年である。あの日、あの時、僕は江東区役所の6階にいた。書類ケースから書類が飛び出し、天井から吊ってあった看板が落ちてきた。帰宅すると、食器棚が1メートル程動いており、中の食器は半分程割れていた。妻は「一人でいるのは怖い」と隣の家に身を寄せていた。今日一日中、テレビは震災の話を流していた。3月11日は、ぼくにとってもう一つ重要な意味がある日だ。山崎剛太郎さんの命日だからだ。剛太郎さんは、フランス映画の字幕翻訳のレジェンドである。剛太郎さんは父・小山正孝の親友だった。府立四中以来の仲だ。「山崎剛太郎『薔薇物語』刊行に寄せて」という正孝の文章に次のくだりがある。


