少しづつかはりゆく街日脚伸ぶ
新しいマンションができる。空き地になったかと思ったらいつの間にか、完成間近だ。この場所には、かつて質屋があった。そういう時代だってのだ。質屋も質屋の蔵もいつの間にかなくなった。このマンションの前の通りでぼくは小学校5年生の時に5トン積みのトラックに轢かれかけた。自転車はぐちゃぐちゃになり、ぼくは九死に一生を得た。いつの間にか、街は変わる。新しい店ができた。「定食屋」と書いた行燈が遠くからでも見える。店の名前は「文鎮」とある。生活に当たり前に存在できる飲食店を目指すらしい。なかなかおしゃれな店だ。友人と入ってみた。おばんざいが主流の店だった。


