雑踏を横目に虫の声虫の声
ふと虫の声が聞こえた。確かに虫の声だ。「こんなところで」街のど真ん中、雑踏の中だ。どうやら、道路ぎわの花壇からのようだ。「都会の真ん中に虫がいるのか」不思議な気分だった。俳句では、「虫」とは秋の鳴く虫のことを指す。鈴虫とかコウロギとかキリギリスのことだ。子供の頃は、虫籠に入れて飼ったこともあった。コオロギの「コロコロ」として柔らかい鳴き声も好きだが、鈴虫の澄み渡った声は何とも言えない。平安貴族は、虫の声を風流なものとして楽しんだ。中国や韓国にも日本と同じような習慣があるらしい。街は人間が支配していると考えたら間違いだ。アスファルトの隙間から草が生え、夜になれば虫の声が聞こえる。


