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八名川小学校

俳句フォトエッセイ

青北風や学舎の前の大銀杏

「青北風」と書いて「あおきた」と読ませる。歳時記をつらつら眺めていたら出てきた言葉だ。初めて知った。「雁渡し」と同じような意味で、本当は初秋から仲秋にかけて吹く北風の事を言う。今の季節に合わないじゃないかと文句を言われそうだが、ご容赦願いたい。一度使うと忘れなくなるものだから。🙏それにしても見事な大銀杏だ。後の学舎は、千代田区立九段小学校である。ぼくの勤務していた八名川小学校もそうだが、学校に併設して公園が作られている。確か、墨田区も中央区もそうだ。これは、関東大震災の教訓としてできたようだ。九段小学校の校舎は2018年に建て替えられた最新の学舎だ。

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懐かしき声懐かしき人秋うらら

「いろんなところに出かけてますね」と言われる。自分ではそんな気はないが、言われてみると「確かに」と思う。役所に勤めていた時は、ほとんど江東区内だったが、フリーになってからは幅が広くなった。授業や研修会で都内のあちこちに出向くし、それがない日は、俳句フォトの取材に出かけたりする。一日中家にいるのは月に数えるほどだ。この日は西大島。砂町小学校の校内研修会だ。その前に、ある人と会って食事をした。菅原朋之さんだ。菅原さんは江戸川区松江の40年の歴史を持つ学習塾の先生であり、経営者だ。知り合ったのは20年前。ぼくが八名川小学校に赴任した年だ。

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シャンソンの溢(あふれ)こぼるる秋の午後

都営地下鉄の森下の駅から徒歩1分。音楽喫茶サンメイトである。この日はオーナーの桜彩さんのソロコンサートだった。ご招待を受け、参加させていただいた。桜彩さんのコンサートにはコロナのずっと前に伺ったことがある。その時は上野で、妻と二人だった。伴奏のピアノは岩崎大輔さんだ。若くして米国ボストンのバークリー音楽院に留学された。帰国後はジャズを中心に演奏活動をされ、ポピュラーの作曲、編曲をはじめ、幅広い活躍をされた方だ。11月の岩崎さんのディナーショーのチケットは既に完売だという。コンサートは、その岩崎さんの「枯葉」の演奏から始まった。一瞬で聞き惚れてしまった。

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八名川は聖地の一つ秋高し

「聖地」というのは、僕にとってのという意味である。江東区立の八名川小に赴任したのは21年前のことである。6年間在籍したが、その後もなんだかんだと出入りしている。八名川小の靴箱にはまだぼくの名前が残されている。この八名川町の古地図、実は東京駅の「銀の鈴」のある床にプリントされているものだ。新大橋の位置は今とは違っているように見える。現在は「八名川町」という地名はなく、常盤町や新大橋になっている。「八名川」の地名が残っているのは、小学校とその隣の八名川公園だけである。その八名川小に赴任して最初に掲げたスローガンは「ワンランク上の教育」というものだった。丁度、学校選択制が始まった頃である。

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夏の月煌々として隅田川

写真は、隅田川に架かる清洲橋である。ライトアップされた姿には惚れぼれしてしまう。清洲橋は、ドイツのケルンにあるヒンデンブルグ橋がモデルと言われる。現在は、国の重要文化財に指定されている。隅田川には、千住大橋から勝鬨橋まで大きな橋が15架けられている。勝鬨橋は、大きな船を通す時に中央が跳ね上がる構造になっている。ぼくは、その跳ね上がった姿を見た記憶がある。自動車の交通量が多くなり橋の開閉が中止されたのは1970年だそうだ。ぼくに一番縁がある橋は、新大橋である。新大橋と言っても最近架かった橋ではない。江戸時代、芭蕉の生きた時代の橋である。

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旧友の顔を探しに盆踊

八名川連合町会の主催する恒例の盆踊りだ。7月31日から8月2日まで。その最終日。打上げ近くになってお邪魔した。ぼくにとっては15年ぶりのことだ。実は近くの芭蕉記念館で「親子俳句教室」のイベントがあった。この日は、学校俳句研究会の仲間が10人も参加して、みんなで俳句作りを楽しんだ。大変好評だった。「先生方のサポートのおかげで、子どもも気負うことなく素直に表現できて良かった」という感想も。夜はナイトミュージアムというイベントがあり、普段は入れない芭蕉展望公園に向かった。隅田川を向いてライトアップされている芭蕉像をしげしげと眺めた。八名川小学校に赴任した20年前の盆踊り。踊る子どもの数が少なかった。

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大川や夏を呼び込む雲数多

いよいよ関東地方も梅雨明けとなった。昨日誘われて、大川端を散歩した。久しぶりだ。暑いが、それでも独特の川風が気持ちいい。かつて河岸に「餌とも」さんというお店があった。その名の通り、釣りの餌を売る店だ。堤防ができる前はすぐ土手に出て釣りが楽しめたらしい。それほど古い店だが、ぼくが八名川小学校に勤務していた20年前にもまだ営業を続けていた。学校に鈴虫や蛍を届けてくれた事もあった。あの「餌とも」のおばちゃんは今も達者でいらっしゃるだろうか。江東区芭蕉記念館も大川沿いにある。芭蕉史跡展望公園からの隅田川の眺望は何度見ても見飽きない。大川と清洲橋の景観は見事である。

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写真とは光の記憶梅雨明くる

目から鱗の写真講座だった。「写真とは光を捉えること」そんな風に考えたことは一度もなかった。第一回俳句フォトの会例会。講師の写真家加賀美光一さんが、教材として持ってきてくれたのが、写真のグラスだ。光が捉えられるのか!加賀美さんとは八名川小学校で出会った。子どもたちの卒業写真などを撮っていただいた。その写真の出来が並ではない。一人一人の子どもが輝いている。彼は風景から商業写真までの分野で幅広く活躍し、あるコンクールでは審査員をも務められている。その技術の一端を教えていただくのが、今回の企画の意図である。スマートフォンのカメラの特徴と使い方についても教えていただいた。

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ごみ拾ふ明日は七夕星祭

朝の元住吉ブレーメン通りに出たら、青年がごみ拾いをしていた。緑の腕章に「防犯」という文字。どこの団体だろう?手に持ったビニール袋にはそれなりにごみが入っている。通りはきれいだと思っていたが、結構ごみがあるものだ。また一人、また一人と緑の腕章の人がいる。その先にいたのが写真のこの人。ブレーメン商店街を守る白い鎧の騎士ブレストである。ブレーメン商店街の守り神である。しかし、意外に歴史は浅く、一昨年の10月に初めてお披露目されたばかりだ。この暑い中、鎧を纏っての清掃活動は誠にご苦労様と言いたい。「街がきれい」というのは、文化だろう。

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名物の紫陽花通りとなりにけり

八名川小学校の裏手である。見事な紫陽花だ。これは、中村友子さんを中心とした八名川小学校の「花の会」の皆さんの15年に渡る努力の結晶だ。学校の校門にも、目の前にある八名川公園にも紫陽花が美しく花をつけている。八名川公園は、花の会の皆さんが守備範囲を広げた結果だ。6月の半ばには校庭にある枇杷の実を収穫してジャムを作るらしい。ぼくが八名川小学校に赴任したのは、今から21年前である。そして、6年間在職した。思い起こすと、この間に色々な事業に取り組んだ。