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春爛漫

俳句フォトエッセイ

花ミモザぼくは一点お洒落主義

この帽子、ぼくは相当に気に入っている。これで、傍に黄色いミモザの花があったら、春爛漫だ。俳句では普通「ぼくは」とは言わない。何も書かなければ「ぼくは」に決まっているからだ。この「ぼくは」は人に勧めるつもりはないという意味の「ぼくは」である。(ホントかな?)裏地を見せられないのは残念だ。青く輝く窯変天目のようなのだ。この帽子を作ってもらったのは学芸大学にあるヴィリジアンと言う帽子屋さんである。10年ほど前、学芸大学で降りた。古い鰻屋があったのを思い出したからだ。しかし、既に閉店していた。その代わりに見つけたのが、工房とショールームを兼ねた帽子屋さんだった。これがヴィリジアンである。

俳句フォトエッセイ

春を待つ如何にも干支の顔をして

陶芸教室の前に並べられた干支の小さな植木鉢だ。古い木造の陶芸小屋の中ではレッスンが行われている。もう使われていない煉瓦の窯は魯山人の窯だと誰かが言う。その庭で珈琲を啜りながら一時を過ごした。蝋梅が香ってくる。Mさんが、「これは、同じ蝋梅でも素心蝋梅というのよ」と教えてくれた。まだ寒の内だが、風もなく暖かい。日差しは春のようだ。道の脇には著莪が群れている。「花の咲く頃来たら綺麗でしょうね」北鎌倉の吟行会である。今日の目的地の一つは、浄智寺である。鎌倉十井の一つ、甘露の井があり、階段をのぼると花頭窓のある鐘撞堂が待っている。鎌倉七福神の一つ布袋尊が如何にも穏やか表情を浮かべている。