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俳句フォトエッセイ

銭湯に浸り極楽石蕗の花

大田区の某小学校で一年生の俳句の授業をした。その帰り道、ふと近くに銭湯がある事を思い出した。マンションの一階にある銭湯で、草津湯という。銭湯というと、お城のような門構えで高い煙突があるイメージがあるが、最近は煙突がない銭湯も多い。燃料が重油から都市ガスに換わったからだろう。それにしても気持ちがいい。湯船にしっかりと浸かると体の芯からほぐされる。つい、この前までは、スーパー銭湯にハマっていたが、普通の銭湯でも十分である。この草津湯もジェット風呂や電気風呂、サウナも備えている。ぼくは少し低温の鉱泉掛け流しに入った。大量のお湯をジャバジャバと惜しげもなく使い、取っ替え引っ替え、いろんな湯に入る。

俳句フォトエッセイ

振り向けば石蕗の花の黄そこに在り

「石蕗」(つはぶき)と書いて、「つは」とも読む。鮮やかな黄色の花だ。花が少なくなる冬に咲く。鮮やかな黄色なのに、静かで控えめな感じがするのは、ぼくだけではないだろう。いかにも、振り返ったら、そこにあったというような風情なのだ。一つには、石蕗の花が日陰や半日陰の土地を好むからであろう。表通りというより、どちらかと言うと裏通りが似合う。多くの花が外国由来だが、石蕗の花の原産地は日本である。九州では、昔石蕗を食用にしたとの記述が牧野富太郎博士の『牧野日本植物図鑑』にあるらしい。茶道では客を茶室に導く露路に植える代表的な花の一つとされる。茶花として茶室に控えめに活けられることも多い。

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冬うららかつてありける貸本屋

元住吉の裏通り。この場所に貸本屋があった。いつなくなったかは記憶にない。小学生から高校生にかけて、ぼくはここの古本屋に通い続けた。1日10円、延長料金は1日5円だった。印象に残っているのは、まず白土三平だ。それがカムイ伝だったかどうかは定かではないが、白土三平だったことは確かだ。次はさいとうたかおである。これもゴルゴ13だったかどうか。人間の記憶というものは、相当に不確かである。ハードボイルドの劇画は刺激的だった、ぼくはこれらの本を学校に持って行ったらしい。母は担任の先生に呼び出され、「小山君が変な本を学校に持ってきて困る」と言われたようだ。その辺りの記憶はぼくにはない。

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プレゼントするなら絵本クリスマス

元住吉に本屋がなくなって久しい。本屋に足を運ぶ機会が随分と減ってしまった。こちらは、田園調布の駅前、いや駅上にあるくまざわ書店である。目立つところはまず絵本。大人向けの本や文庫は一番奥だ。「本は売れなくなった」と言うが、その中でも子ども向きの絵本だけはそこそこ売れているらしい。今年の本の売行きランキングの第一位は鈴木のりたけの『大ピンチ図鑑3』だと言う。ぼくも子どもの頃は随分と絵本を読んだ。『チビクロサンボ』『小さなおうち』地球の歴史の絵本も何度読んだかしれない。大人になってからハマったのは佐野洋子だ。『百万回生きたねこ』に涙を流した人も多いだろう。

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駅前の音楽隊もクリスマス

俳句では「も」という助詞は嫌われる。「も」というのは書かれていない別のものもあるということだから、曖昧になったり、もしくは主役を奪われることもあるからだ。それは兎も角、この写真は東急線元住吉駅前にあるブレーメンの音楽隊の像である。西口のブレーメン商店街を象徴している。商店街のイルミネーションも輝き、街は既にクリスマスムードだ。クリスマスは、元々キリスト教の行事だけど、一部の信者さん以外、それを意識している人はほとんどいないだろう。日本の商売人は仕掛けがうまい。平賀源内の昔からそれは始まっている。ご存知「土用の鰻」。本当は鰻は冬場が食べどきだそうだ。従って、夏場は売れない。