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初夏

俳句フォトエッセイ

卯の花をはじめて知りて傘寿かな

考えてみるとぼくの歳は80に近い。それなのに、これまで卯の花を知らなかった。佐々木信綱の作詞による唱歌「夏は来ぬ」は「卯の花の、匂う垣根に」の歌詞で始まる。卯の花は、初夏を代表する花なのだ。先日、ある方に「これが卯の花」と教えていただいた。白い小花が重なり、息を飲むほどの白だった。昔の人が卯の花を愛でたのがわかるような気がした。「卯の花腐し」という季語がある。せっかく咲いた卯の花を腐らしてしまう雨という意味だ。卯の花の白を見ると、この言葉に込められた恨めしい気持ちが痛いほどわかる。もちろん若い時に卯の花を知れば、それにこしたことはなかったが、生きているうちに出会ったことを奇貨としたい。

お知らせ

イベント開催報告:俳句フォトの会5月例会「新緑を詠もう 綱島公園吟行」(5月17日)

による句評と、参加者自身による句の解説や他の方の作品への感想など、穏やかで心豊かな時間を皆で共有しました。句会の中で小山正見が語った言葉が印象的でした。「俳句は言葉の垢落とし」——余分な言葉をそぎ落とすことで、かえって伝わるものが増える。その言葉は参加者それぞれの胸にしみわたったようで、合評の場にはいつになく静かな深みのある空気が漂っていました。初心者の方からご経験者まで、それぞれの感性が光る素敵な例会となりました。初夏の公園で生まれた作品の数々は、参加者それぞれの眼と心が結晶したかけがえのないものでした。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。