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初詣

俳句フォトエッセイ

芭蕉から始まる新春講座かな

講師は渡邊尚代先生である。彼女は欧米文学の専門家で、神保町にある児童書専門店のブックハウスカフェを会場に、長年講座を続けてこられた。昨年あたりから、尚代先生は芭蕉の『おくのほそ道』に相当に興味を持たれたようだ。その尚代先生は、行動の人である。早速、日光の裏見の滝に出かけ、平泉にも立石寺にも足を伸ばされた。足で現地を見なければ真髄はわからない、というのが尚代先生の考え方である。そして、数十ページにわたる詳細なテキストが用意されての講座であった。芭蕉が活躍した時代は、シェークスピアやセルバンテスと近いという。欧米文学を知り尽くした尚代先生ならではの視点である。

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拝殿は遥か彼方や初詣

皆さんは初詣に行かれたであろうか。最近では、近くの小さな氏神さまでも行列ができるほどだ。初詣ほど大掛かりな国民的行事は他にはないだろう。しかし、初詣の歴史は意外と新しく、明治の終わりから大正にかけてのことだという。一説によると、鉄道が敷設されたことが、初詣の起爆剤になったと言われている。成田山新勝寺や川崎大師への初詣は京成電鉄抜きには語れないほどだ。東京で最も人気があるのは浅草寺と明治神宮だろう。明治神宮の毎年の参拝客は300万人を超すと言われている。ぼくもその300万人の一人となった。原宿の駅を降りると、驚くほどの人だ。全国から奉納された酒樽が並ぶ。

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神無月お大師さまのさらし飴

川崎大師の表参道・仲見世の入り口に店を構えているのが、松屋総本店や評判堂である。両方とも「飴(あめ)」の店だ。中でも「咳止(せきどめ)飴」が有名だ。厄よけで知られる川崎大師は、正月には多くの初詣客が訪れる。昨年は10年に1度の「大開帳奉修(だいかいちょうほうしゅう)」で、特別な赤札が授与された。私もそれが欲しくて参詣したが、並ぶ人の列に恐れをなして、すごすごと退散した。川崎大師の歴史は古い。創建は1128年というから、900年近く昔だ。武士の平間兼乗(ひらまかねのり)が空海の木像を見つけたことが始まりだそうだ。正式名称の「平間寺」も、ここから来ている。江戸時代になって、川崎大師は大いに栄えた。