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地中海通り

俳句フォトエッセイ

春立ちて幼なの声の変はらざる

メトロ日比谷線、広尾の駅を降りて徒歩7分ほど。ここは笄(こうがい)公園である。そして後ろに見える建物は港区立笄小学校である。ぼくは江東区の隅っこにある学校からこの都心の真ん中の学校に異動したことになる。まだバブルが弾けていなかった。当時の西麻布は好景気な最中にあった。広尾から西麻布の交差点に向かう外苑西通りは通称「地中海通り」と呼ばれていた。イタリアンレストランが軒を並べていたからである。土曜日の昼食はそれらの店を巡ったこともあった。クイーンアリスというお洒落なフランス料理屋にも同僚に連れられて行ったことがある。それらの店はどこに行ったのか。有名なキャンティの支店も姿を消していた。

俳句フォトエッセイ

秋うららレジェンドに会ふ写真展

向かって右側はぼくだが、左は髙野榮一先生である。髙野先生とは、港区の笄小学校で一年間だけお世話になった。決断力があり、方針がぶれない。当時からすごい先生だなぁと尊敬していた。先生の退職後も飲み会などに声がかかった。多くは当時の校長先生方の会だった。声が掛かると答えは三つしかない。「わかりました」「喜んで」「もちろんです」可愛がられたと言って良いのかもしれない。「先生、お幾つになられましたか」と聞いたら「89」だと言う。お元気この上ない。退職されてからカメラを始められた。退職校長会の写真展が武蔵小杉であった。先生の出品されている鴨川シーワールドの写真。波飛沫の捉え方が絶妙である。