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大寒

俳句フォトエッセイ

大寒や軍国少年なりし頃

ここは千代田区の東郷元帥公園である。東郷元帥とは、連合艦隊を率い、あの日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃破した、東郷平八郎のことだ。子供だったぼくにとって、東郷元帥は乃木希典大将と並んで英雄だった。わざわざ横須賀まで戦艦三笠を見に行ったこともある。「水師営の会見」という軍歌は何度聞いたか分からないほどだ。「旅順開城約なりて敵の将軍ステッセル」から始まる歌だ。佐々木信綱の作詞で、最後は「昨日の敵は今日の友語る言葉も打ち解けて我は讃えつつ彼の防御彼はたたえつ我が武勇」で終わる。映画も観た。「明治天皇と日露大戦争」。特に好きだったのは軍艦だった。

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春隣ひかり眩しき隅田川

大寒である。一年で一番寒いと言われる日だが、陽射しは既に春の装いだ。写真は、東京を代表する川、隅田川。かつては大川と呼ばれた。夏の花火大会の源流は江戸時代まで遡ることができる。高度成長期には、下水道処理が追いつかず、一時は「死の川」とまで呼ばれた。しかし、現在では生態系も戻り、河岸のテラスもよく整備されてきている。ランニングをする人、散歩を楽しむ人、釣糸を垂れる人もいる。隅田川河岸は憩いの場所になっている。正面に見える橋は清洲橋だが、ドイツのケルンにあるヒンデンブルク橋を見本にしたと言われる。小名木川との合流点からの眺めは一幅の絵のようだ。目を反対側に転じれば新大橋が見える。

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大寒の喫茶店てふ居場所かな

今なら「カフェ」だろう。喫茶店という言葉には昭和の匂いがする。その昔は純喫茶と言った。お酒は出さないという意味が「純」に込められているのかもしれない。喫茶の「喫」は喫煙の「喫」でもある。必ず、テーブルの上には灰皿が用意されていた。店ごとに工夫を凝らしたマッチがあり、それを集めて楽しんだりした。純喫茶が姿を消し、一時街に喫茶店というものがなかった時代があるように記憶している。そこに登場したのが「ドトール」だ。スタンドで椅子がない。ただ、コーヒーを味わうためだけの場所だった。いきなりステーキという店もあるが、こちらも開店当初は椅子がなかった。アメリカの文化なのだろうか。