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春の雨

俳句フォトエッセイ

楸邨の思ひたゆたふ春の雨

楸邨とは、俳人の加藤楸邨のことである。30代だったと思う。ぼくは楸邨の鮟鱇の骨まで凍ててぶち切らるを知り、衝撃を受けた。俳句との出逢いはこの句だったと記憶している。NPO法人季語と歳時記の会が発行する『きごさい』の最新号が届いた。季語と歳時記の会は「きごさい全国小中学生俳句大会」の運営母体である。尊敬する西川遊歩さんは、この会の副代表で共に子どもの俳句大会を運営してきた同志だ。現在は大岡信研究会の会長をされているが、一世を風靡した『地球の歩き方』の産みの親であり、若き時代にはバックパッカーとして、世界中を歩き回った伝説の人だ。

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今頃になり春の雨春の雪

夜になって降り始めた雨が雪に変わった。どうせなら朝から雪が降ってほしかった。(実際にそうなったら、大混乱したに違いないが)子どもたちに雪の清澄庭園の美しさ見せたかったからだ。昨日は、第十四回きごさい全国小中学生俳句大会の表彰式が都立清澄庭園の大正記念館で行なわれた。会場からは庭園が一望できる。素晴らしい景色だ。昨年一昨年は天気が良く、春の景色が広がっていた。こんな素晴らしい景色の中での表彰式は稀有だろう。主催者の我々にとっても誇り高い。実は、これを提案してくれたのは、仲間のAさんだった。「清澄庭園で表彰式をする」ぼくには、こんな発想はまるでなかった。聞いた時にも「そんなこと可能なの?」

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春の雨見渡す限り傘である

久しぶりの雨だ。大船渡の森林火災がこの雨で鎮火に向かってくれると嬉しい。さて当たり前の話だが、雨が降ったら傘を差す。子供の頃、傘は貴重品だった。なくそうものならひどく怒られた。それが今はビニール傘。家の中にも溢れている。どこかに置き忘れたい気分にすらなる。調べた訳ではないが、この「傘」という習慣が始まったのは、結構近代なのではないかという気がする。農作業などをする時に傘は使わない。長い距離を移動する時も重い傘をずっと差し続けるのは至難だ。だから、蓑とか頭に被る笠という選択になる。「傘」が便利なのは、近距離のちょっとした移動の時だけだ。つまり、それは都市生活と関係している。