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正岡子規

俳句フォトエッセイ

Aが来てSSが来て春の宴

AとSSのところには実名が入るのだが、今の時代なので伏字にする。これは、正岡子規の句漱石が来て虚子が来て大三十日のもじりである。日本学校俳句研究会の春の集いが江東区の猿江恩賜公園で行われた。講師はI先生。植物に詳しいことは昔から知っていたが、これほどとは思わなかった。たぐいまれなる知識が、愛情に裏付けられている。この日も、ハンカチの花を教えていただき、ヒマラヤ杉の薔薇のような松ぼっくりを見せていただいた。これだけの人は俳句界全体でも稀有の存在なのではないだろうか。A先生は研究会を結成する前からの仲間、わざわざ伊豆七島の新島から飛んできてくれた。SS先生は、この4月に教職についた新人。

俳句フォトエッセイ

スッポンも亀も彼岸の甲羅干し

正岡子規に「毎年よ彼岸の入に寒いのは」の句がある。母親八重の言葉をそのまま写した句とされている。季節は、暖かくなったり寒くなったりを繰り返しながら、春本番に近づいていく。もうお彼岸である。暖かな一日、都立清澄庭園に出かけた。地下鉄の清澄白河の駅から歩いてわずか5分。別世界のような庭が広がっている。ここは、江戸の豪商紀伊國屋文左衛門の屋敷跡ともされている。明治に入り、三菱の創始者である岩崎弥太郎によって整備された名勝の一つだ。中に入るとすぐに、摂津御影石の手水鉢があるが、この庭園には伊豆や紀州から数々の名石が集められている。池の磯渡りに使われている石も見事なものだ。

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東京の真ん中にゐて杜鵑草(ほととぎす)

豊島区の目白庭園に出掛けた。住宅地の真ん中にあるこの公園は1990年に作られ日本庭園である。それほど広くはないが(と言っても千坪近くある)池あり、滝ありでなかなか風趣に富んだ庭園だ。西武線の線路脇に位置しているのに、電車の音は気にならない。近くには、鈴木三重吉が起こした「赤い鳥社」の跡地があり、説明板が立っていた。目白庭園の入園料は無料。池の端に建つ六角浮見堂に座り、色づき始めた樹々を眺めると都心にいることを忘れる。結婚式の前撮り写真であろうか、白無垢や打掛を着た花嫁さんの姿が眩しい。七五三の記念写真を写している親子もいる。野草園と示された一角には、秋明菊や杜鵑草が花をつけていた。

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雨粒を纏ひて萩の溢れをり

雨の中の萩は、一層風情を増すように思える。葉に雨粒が丸く浮かんでいる。朝起きたら、一面に萩がこぼれ無数の花が散っていた。芭蕉の「奥のほそ道」に一つ家に遊女も寝たり萩と月がある。市振という宿で遊女に「旅の道連れにしてくれないか」と頼まれる有名な場面だ。この句については、芭蕉の創作ではないかという説が有力である。いかにも出来すぎているからだろう。その証拠は同行した曾良の日記には一言も触れられていないということらしい。俳句は全て事実というわけでは無さそうだ。それにしても上手い。萩が出てくることで、遊女の哀しさがほのかに感じられる。

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ほんのりにほんのり重ね額の花

いつの間にか紫陽花が咲き始めている。この道にもあの道にも紫陽花がある。自分が子供だった頃、紫陽花は今ほどはなかった。気が付かなかっただけでもないような気がする。この数十年、紫陽花は飛躍的に増えたのだと思う。AIに聞いてみたら、「面白い視点ですね」という返事で、その理由をいくつか挙げてきた。①園芸品種の多様化と人気の上昇近年、紫陽花の品種改良が盛んで人気が高まっている。※確かに「ダンスパーティ」とか「隅田の花火」など新しい品種が生まれている。②気候の影響温暖化の影響で以前は育ちにくかった土地でも紫陽花が育て易くなった。※それも言えるかもしれない。