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深川不動尊

俳句フォトエッセイ

垂藁の太し逞し豊の秋

何だかスズメバチか何かの巣のようだが、これは注連縄から下がっている「垂藁」(たれわら)である。よく紙で作られた「紙垂」(しで)が下げられている(写真奥)がここでは、太く藁で編まれている。紙垂も垂藁もこの先が神域であることを示し、清めや魔除けの役割を果たす。垂藁は五穀豊穣の象徴としても用いられる。ここは、鎌倉の八雲神社だ。鎌倉駅から歩いて十分ほどの距離にあるが、喧騒とは無縁、境内は木々に囲まれ本来の鎌倉らしい落ち着いた雰囲気がある。面白いのは、大きな楠の根元に大きな石が二つ置かれていることだ。この石を新羅三郎の手玉石というらしい。

俳句フォトエッセイ

護摩焚ひて五月詣の読経かな

五月は、俳句の教員研修の依頼が多かった。今日の学校で五校だ。教員研修はぼくにとってはとても面白く、好きな仕事である。先生方との掛け合いの漫才をするようなものだからだ。これには、歳の差が大きい。年配の校長先生でもぼくより一回り以上年下だ。若い先生など、子供か孫のようなものだ。そうなると怖いもの無し。本物の子供への授業はこちらが気を遣わなければならないことが多いが、先生方は話をちゃんと聞いてくれるし、子供へほどの配慮は必要がない。ぼくの研修会は、授業そのもの。勝手に先生方を指して、答えを求める。その時の先生方の顔を見るのが楽しい。

俳句フォトエッセイ

春近し人情深川ご利益通り

実に良い名前だ。「人情深川ご利益通り」とは!ここは、門前仲町。深川不動尊の参道である。約百五十メートルほどの中に四十ほどの商店が軒を並べている。漬物屋もあれば、江戸小物を売る店もある。老舗の煎餅屋は「其角」という名だ。由来はわからないが、おそらく芭蕉の門人であった宝井其角の名をとったのではあるまいか。「日本一硬いせんべい」というのが、この店の売りだ。この日は、近くの江東区立数矢小学校で「俳句の授業」があった。この数矢小学校の授業のある時は、ぼくは必ずご利益通りのカフェでカフェラテを飲む。少し値段は高いのだが、何しろ「ご利益」があり、授業もうまく進むこと間違い無しだからである。