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白い花

俳句フォトエッセイ

恐らくは未央柳(びようやなぎ)と思ひたり

空はすっかり梅雨の様相になっている。道端の紫陽花がますます色付いてきた。紫陽花の青は、梅雨空に美しく映える。しかし、この時期に美しいのは紫陽花ばかりではない。山帽子や梔子(くちなし)などの花の白も印象的だ。山法師は「白」とばかり思い込んでいたら、葉と同じような薄緑色の花もあると知った。白よりも水浅葱なる山法師正見梔子は、一重も八重もある。白一色も美しいが、朽ちかけて茶色が混ざった花の方が風情を感じる。「くちなしの花」と言えば、ぼくにとっては渡哲也だ。若い子はまるで知らない。

俳句フォトエッセイ

近寄れば白木蓮の命かな

いつもの白木蓮だが満開だった。「命がたぎる」かのようだ。通るたびに、白木蓮を立ち止まって見る。数週間前には硬い蕾だった。1週間ほど前に花びらが僅かに開き始めた。そして、今日のこの勢い!命に元気をもらったような気分になった。植物と花は大昔から一体のものだと思っていたが、違うらしい。花は、植物の発明品なのだという。地球上、最初の花は今から約1億2500万年前のジュラ紀と呼ばれる時代に生まれたと言われる。思いの外新しい。昆虫に蜜を提供する代わりに、花粉を運んでもらう、その目印が花である。それは自力ではなくて、他力で生きるという考え方だ。種の生存を他に預ける。実に大胆である。