降るほどに緑の影の広がりぬ
地下鉄有楽町線の辰巳駅を降りた。5月の気持ち良い日差しが降り注いでいた。橋の向こう側には高層のマンション群が巨大な姿を見せている。江東区立第二辰巳小学校は辰巳駅からすぐだ。江東区内でも最も交通の便の良い学校の一つだ。ぼくがこの学校に転勤になったは、44年前だった。当時は交通手段は、都バスしかない陸の孤島のような学校だった。正に「地の果てアルジェリア」だった。雪が降るとその都バスが止まる。東西線の木場駅まで雪の中を一時間近くかけて歩いた。埋立地のゴミ処分場にハエが大量発生し、ハエトリ紙を教室にぶら下げたこともあった。しかし、である。開校5年にも満たない若い学校で伝統がない分自由だったのだ。

