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蝉時雨

俳句フォトエッセイ

階段を上れば蝉時雨蝉しぐれ

8月の末になるのに異常な暑さだ。。夜になると虫の声が聞こえるというのに、森では蝉時雨がまだ止まらない。尚代先生のラボパーティの合宿に招かれて、相原にある自然いっぱいの施設に出掛けた。「俳句フォト」を教えてほしいとの依頼があったからだ。尚代先生との縁はもう10年近くになる。我が家で行っていた「感泣亭句会」にある時先生が顔を出されたのが始まりだった。次の日に連絡があり「こどもたちに俳句を教えてほしい」と頼まれた。それから毎年夏は尚代先生関係のイベントが入ることになった。コロナの間はzoomも活用して親子俳句教室を行った。去年は草津温泉まで出掛けて俳句フォトを楽しんだ。

俳句フォトエッセイ

少年の野球遊びや蝉時雨

激しく降っていた雨が止んだ。妻のお世話になっているホームに面会に行った帰りである。公園で兄弟らしき少年が野球をしている。背景には蝉時雨。お兄ちゃんが打ち、弟はピッチャー兼球拾い役である。弟の不満そうな表情を察したのか、突然、「これで最後。代わろう」と声をかけている。なかなかのお兄ちゃんだ。ぼくは、このくらいの年頃の時、どんな遊びをしていたのだろうかと考えた。馬跳びに長馬。長馬は股の間に頭を突っ込み、跳ぶ方は上から背中にドスンと乗っかるのである。背骨を痛めるという理由で学校では禁止されていた。缶けりや隠れんぼも随分やった。

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やうやくに蝉時雨とはなりにけり

「色んなところに行ってますね!」とか「精力的ですね」などとFacebookやInstagramを見た友人から言われる。本人はその気はないのだが、見ようによっては生き急いでいるように見えなくもない。写真の場所は杉並区の蚕糸の森公園である。「蚕糸」は「さんし」と読む。養蚕の「さん」だ。友人から日本舞踊の会の案内をいただいた。その会場のすぐそばにあった。駅で言えば、地下鉄丸の内線の東高円寺である。かつて農林水産省の蚕糸試験場があった場所だ。公園の中から聞こえてきたのは、「蝉時雨」である。今年はじめて聞く「蝉時雨」だ。朝、一匹の蝉の死骸が我が家の玄関に落ちていた。

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炎天の木漏れ日と化す光則寺

光則寺は、鎌倉市長谷にある日蓮宗のお寺だ。紫陽花で有名な長谷寺の少し北に位置する。創建は13世紀後半。日蓮が「立正安国論」を幕府に献上した場所とされている。本堂の前には高さ3メートルにもなる立正安国論を刻んだ石碑がある。日蓮の高弟日朗を閉じ込めた石牢が今も残っている。江ノ電の長谷駅は観光客でごった返していた。歩道を歩けないほどの混雑だ。外国人の姿も多い。しかし、ここは静かだ。観光客は一人もいない。入場料の100円を払い、見事な丹色の門を潜ると極楽浄土のような別世界が広がっている。紅色の蓮の花が出迎え、蝉の声が響く。本堂を遠巻きにして蝉時雨正見光則寺は花の寺と言われている。