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蝋梅

俳句フォトエッセイ

冬紅葉瑞泉寺へと続く道

瑞泉寺は鎌倉のお寺だ。駅からバスに乗り大塔宮で降り、徒歩で10分の距離にある。大塔宮とは、護良親王を祀る鎌倉宮の通称である。護良親王は、後醍醐天皇の皇子で、倒幕の立役者の一人である。尊氏と対立し失脚。この地で殺害された。瑞泉寺に行く途中には、画家平山郁夫の居宅だった家もある。天気予報に反して風もなく静かな道を疏水に沿って上がると瑞泉寺が見えてくる。鶴岡八幡宮や小町通りは観光客で溢れているが、ここは誰もいない。鎌倉には約60のお寺があると言うが、喧騒に包まれている方が少数なのかもしれない。瑞泉寺は花の寺として有名だ。この季節だからほとんど花はなかったが、山門には石蕗の花がまだ残っていた。

俳句フォトエッセイ

春を待つ如何にも干支の顔をして

陶芸教室の前に並べられた干支の小さな植木鉢だ。古い木造の陶芸小屋の中ではレッスンが行われている。もう使われていない煉瓦の窯は魯山人の窯だと誰かが言う。その庭で珈琲を啜りながら一時を過ごした。蝋梅が香ってくる。Mさんが、「これは、同じ蝋梅でも素心蝋梅というのよ」と教えてくれた。まだ寒の内だが、風もなく暖かい。日差しは春のようだ。道の脇には著莪が群れている。「花の咲く頃来たら綺麗でしょうね」北鎌倉の吟行会である。今日の目的地の一つは、浄智寺である。鎌倉十井の一つ、甘露の井があり、階段をのぼると花頭窓のある鐘撞堂が待っている。鎌倉七福神の一つ布袋尊が如何にも穏やか表情を浮かべている。