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銭湯

俳句フォトエッセイ

湯を巡り巡り巡りて春を待つ

「何と気持ちの良いことか」銭湯のことである。この日は武蔵小杉から歩いて、今井湯に寄ることにした。武蔵小杉から10分。湯を出てからブレーメン通りまで10分である。昔ながらの銭湯だから、それほど広いわけではない。それでも、炭酸泉、シルク風呂、そしてジェット風呂まである。サウナと水風呂もあるが、こちらは僕には縁がない。まず炭酸泉に浸る。温度が低いので20分でも30分でも浸っていることができる。続いてシルク風呂とジェット風呂を梯子する。銭湯は入浴料が500円程度タオルや石鹸を入れても700円から800円。スーパー銭湯の約半額だ。

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銭湯に浸り極楽石蕗の花

大田区の某小学校で一年生の俳句の授業をした。その帰り道、ふと近くに銭湯がある事を思い出した。マンションの一階にある銭湯で、草津湯という。銭湯というと、お城のような門構えで高い煙突があるイメージがあるが、最近は煙突がない銭湯も多い。燃料が重油から都市ガスに換わったからだろう。それにしても気持ちがいい。湯船にしっかりと浸かると体の芯からほぐされる。つい、この前までは、スーパー銭湯にハマっていたが、普通の銭湯でも十分である。この草津湯もジェット風呂や電気風呂、サウナも備えている。ぼくは少し低温の鉱泉掛け流しに入った。大量のお湯をジャバジャバと惜しげもなく使い、取っ替え引っ替え、いろんな湯に入る。

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光悦垣樋(とい)の先より五月雨るる

光悦垣樋(とい)の先より五月雨るる小山正見光悦寺!京都である。ところが、この日は土砂降り。「大花野の会in京都」の会場を提供してくださったOさん夫妻に大変お世話になった。まずご主人が宿まで迎えに来てくださり、ぼくを光悦寺まで車で連れて行ってくださった。光悦寺は、江戸時代初期に活躍した本阿弥光悦ゆかりの寺である。竹で組んだ独特の菱形の垣根が「光悦垣」として名高い。鷹峯三山が雨のもやの中で幻想的に見える。青い楓の葉に雨粒が宿り、樋からは雨水が流れ落ちる。庇のある一隅で五月雨を眺めながら、ぼくはOさんに京都のことを色々教えていただいた。