俳句フォトエッセイ2026.03.30崎陽軒本店に食む春の味小山正見横浜に出かけた。横浜駅の近くで「認知症の人と家族の会」の会合があったからだ。少人数の会合だが、認知症の専門医で神奈川県代表の杉山先生も出席され、色々アドバイスしてくださる。この日も新しい知見が得られた。妻が発症した当時、ぼくは必死になって認知症関係の会を探した。にも関わらず見つからなかった。偶然見つけたのは2年前だ。その時から時々出かけ助言を求めている。ぼくにとってはとてもありがたい組織だ。帰る途中に「崎陽軒本店」を見つけた。崎陽軒とは、「しゅうまい弁当」のあの崎陽軒だ。「弁当」の印象が強すぎて、「本店」があるとは思いも及ばなかった。好奇心に駆られて、中に入った。中華の店だと思っていたが、イタリアンレストランやビアレストランまである。ぼくには似合わないなと思ったが、一階にティーラウンジがあった。まるでホテルのラウンジのようだ。「たまにはいいか」認知症の話は重い。何となく疲れた。意を決してここでしばらく休むことにする。メニューにケーキセットがあった。普段なら絶対食べない。糖尿の持病には大敵だからだ。苺のショートケーキの写真の誘惑に負けて、目をつぶって注文した。ところが「苺のケーキは売り切れました」とウエイターは涼しい顔で言った。仕方なく、チーズケーキを頼む。甘いが、なかなか美味い。「時にはいいではないか」と自分を慰める。隣では春の装いの上品なおばあさんが3人、四方山話に花を咲かせていた。窓の外には春の夕闇が迫っていた。今日はしゅうまい弁当を買って帰ろうか。
横浜に出かけた。横浜駅の近くで「認知症の人と家族の会」の会合があったからだ。
少人数の会合だが、認知症の専門医で神奈川県代表の杉山先生も出席され、色々アドバイスしてくださる。この日も新しい知見が得られた。
妻が発症した当時、ぼくは必死になって認知症関係の会を探した。にも関わらず見つからなかった。偶然見つけたのは2年前だ。その時から時々出かけ助言を求めている。ぼくにとってはとてもありがたい組織だ。
帰る途中に「崎陽軒本店」を見つけた。崎陽軒とは、「しゅうまい弁当」のあの崎陽軒だ。「弁当」の印象が強すぎて、「本店」があるとは思いも及ばなかった。
好奇心に駆られて、中に入った。
中華の店だと思っていたが、イタリアンレストランやビアレストランまである。
ぼくには似合わないなと思ったが、一階にティーラウンジがあった。まるでホテルのラウンジのようだ。
「たまにはいいか」
認知症の話は重い。何となく疲れた。
意を決してここでしばらく休むことにする。
メニューにケーキセットがあった。普段なら絶対食べない。糖尿の持病には大敵だからだ。苺のショートケーキの写真の誘惑に負けて、目をつぶって注文した。ところが「苺のケーキは売り切れました」とウエイターは涼しい顔で言った。
仕方なく、チーズケーキを頼む。甘いが、なかなか美味い。
「時にはいいではないか」
と自分を慰める。隣では春の装いの上品なおばあさんが3人、四方山話に花を咲かせていた。
窓の外には春の夕闇が迫っていた。
今日はしゅうまい弁当を買って帰ろうか。