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老梅の枝のくねりて黒光り

小山正見

梅の名句は数多い。

梅が香やどなたが来ても欠茶碗

は小林一茶。

夏目漱石にも

いの字よりはの字むつかし梅の花

という愉快な句がある。

梅の枝を詠んだ句はないものか。試しにA Iに聞いてみた。すると

老梅や 月夜となりぬ 枝の影

が出てきた。作者は原石鼎とある。
しかし、A Iは嘘をつく。特に俳句関係はでたらめが多い。
そこで、古今の代表句を網羅している「575筆まか勢」のサイトで調べてみた。どこにも見つからない。
書斎に『原石鼎全句集』があることを思い出して、本棚の上から引っ張り出した。1990年に沖積舎から出版されている。表紙は棟方志功、帯は小説家の小島信夫。750ページを超す大著である。
ぼくも結構執念深い。
索引から梅の句を探った。26のページにわたって梅の句はあった。すべて当たってみたが、「枝の影」の句は見当たらない。
もう一度元に戻ってA Iに「本当に原石鼎の句か?」と聞き直してみた。
すると「原石鼎の句とは確定できません」と平気な顔して答えてくる。その上「俳句は口伝で広がるため、作者が入れ替わることが珍しくありません。」と言い訳までするのだから、笑ってしまう。
しかし、代わりに

日高さにまぶしき梅の一枝かな
ちかよりてなほこまやかな梅の花

などの石鼎の句を見つけることができたのは収穫である。
梅の枝を詠んだ句は意外と少ないこともわかった。下手でもここは、自分で踏ん張って詠むしかなさそうだ。