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季語梅雨

(つゆ)[夏]

六月から七月にかけて降り続く長雨の時期。

言い換え(傍題):梅雨深し、荒梅雨

関連する言葉:梅雨兆す、梅雨近し、梅雨間近

この季語の俳句フォト:16句

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俳句フォトエッセイ

梅雨近ししばられ松の摩訶不思議

向ケ丘遊園から梶ケ谷に向かうバスに乗った。東急バスの路線で、系統番号は「向01」。ふと、路線図の中に「しばられ松」というバス停を見つけた。なぜ縛られているのか-。その奇妙な名前が頭に残っていた。先日、友人から「昔ばなしを語ろう会・かわさき」の朗読会に誘われた。この会は「昔ばなし大学」を全国で開講されてきた多摩区在住の口承文学者、小澤俊夫さん(世界的指揮者である故・小澤征爾さんの兄上)の活動に刺激されて生まれたという。その日、会場の多摩区役所生田出張所には20人近くが集まっていた。そこで朗読された話の一つが、あのしばられ松の昔話だった。しばられ松は昔から語り継がれてきた民話の主人公だった。

俳句フォトエッセイ

梅雨湿りブックスカフェの店仕舞ひ

久しぶりに神保町に降りた。ブングボックスという万年筆屋でインクを買う為である。かつてこの店は、青山にあった。品揃えがお洒落な店だ。インクはオリジナルである。名前は「永遠の初恋」。初恋が永遠に続くかどうかは疑問だが、確かに永遠を思わせる透き通る綺麗なブルーのインクだ。神保町に移転した時に「カルチェラタン」というインクを売り出した。名前に惹かれてこれも購入した。こちらは茶色の深い味わいのあるインクだ。ブングボックスの万年筆を手に入れて以来、文字を書くのが好きになった。自分の字が上手く見えるようになってきたから不思議だ。「弘法筆を選ばず」だが、ぼくは筆を選ぶ。万年筆は「ブングボックス」に限る。

俳句フォトエッセイ

梅雨兆す森下A1出口かな

森下は、六年間勤務した江東区立八名川小学校があるところである。久しぶりに森下で降りて、八名川小以前にもこの駅で降りたことがあった事を思い出した。ベニサン・ピットという小劇場があったのだ。染物会社ベニサンが工場跡地に作った演劇アトリエだ。1985年がオープンである。客席は200未満だと思うが、印象的な芝居が次々に上演された。一つは、玉三郎が主演の「ナスターシャ」だ。舞台が客席の真ん中にあった。芝居が終わった時、玉三郎の存在感だけが残るような舞台だった。二つ目は、TPT (シアタープロジェクト東京)である。照明の使い方が絶妙な美しい舞台か特徴的だった。

俳句フォトエッセイ

梅雨間近地上に深海水族館

沼津に行った。高校生への俳句の授業のためだが、前回見つからなかった深海水族館にまず行った。今度は場所の目星を付けておいたのですぐに見つかった。沼津の深海水族館は、深海生物を対象に特化した世界唯一の水族館である。深海博物館の隣にVR深海アドベンチャーディープクルーズというそっくりな施設があり、一瞬どちらに入ろうか迷った。深海水族館というのだから、何となく深海に潜るようにイメージがあったが、もちろんそんなことはない。普通の二階建ての建物である。しかし、二百種以上の深海生物が展示されており、二階にはシーラカンスが展示されていた。冷凍されたシーラカンスは、なかなか見応えがあった。

俳句フォトエッセイ

打ち掛けの杭の如しや梅雨の雲

元住吉の駅から武蔵小杉方面を眺めた図である。十棟以上の高層マンションが林立している。確か、あの場所には東芝の工場があったと記憶している。駅前だし、便利だ。武蔵小杉は東横線と南武線が交差している駅だ。そこに、それまでは貨物線だった新線が加わった。この線で新宿にも千葉にも行ける。反対方向は横浜から鎌倉まで乗り換えなしだ。鎌倉は遠い観光地だと思っていたら、たった40分で着いてしまう。武蔵小杉が住みやすい町のベストテンに入ったのはわかるような気がする。東芝の跡地以外にも、土地を買収して次々に高層マンションが建設された。駅前の大型の商業施設グランツリーはいつ行ってもお客さんの足が絶えない。

俳句フォトエッセイ

梅雨近し時には源泉かけ流し

多摩市の学校に俳句の授業に出かけた。午前中で終ったので、思い立って帰宅の途中に南武線の溝の口で降りた。影向寺(ようごうじ)に行ってみたいと思ったからだ。影向寺は奈良時代に僧行基によって開かれたと伝えられている。本尊の薬師如来両脇侍像は国の重要文化財の指定を受けている。私が影向寺について知ったのは、写真家小池汪の写真集『影向寺』においてだった。写真集は1983年に出版社花林から出ている。仏像の写真が素晴らしい。小池汪は川崎を代表する写真家の一人である。歌人馬場あきこが監修した『川崎地名百人一首』に登場する百枚の写真は全て小池汪によるものである。どの写真も眼をみはる。