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桜の咲くころに、ふと戻ってくる寒さ。

季語花冷

(はなびえ)[春]

桜の咲くころに、ふと戻ってくる寒さ。

この季語の俳句フォト:4句

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俳句フォトエッセイ

花冷の我を迎ふる我が家かな

夜になるとまだ寒い。その上、冷たい雨だ。駅から家までの距離が遠く感じる。ようやく我が家だ。鍵を開けて中に入ると暖かい。寒さからやっと解放された気分だ。母が亡くなってから、ぼくはこの家に住んでいる。丸12年ということになる。表には、小山正孝の表札がまだある。今の家が建ったのは、今から60年前だ。我が家があるこの場所は、同潤会の分譲住宅だった。6畳、4畳半、3畳に狭い台所が付いていた。老朽化が進み、引越しも検討したようだが、結局家を建て直すことを選んだ。設計を依頼したのは、建築家の生田勉氏。

俳句フォトエッセイ

花冷のオレンジ通りに一服す

オレンジ通りは、かつて区役所通りと呼ばれていた。浅草新仲見世と交わっている通りである。人と会う約束があったが、早目に着いてしまった。角のスタバで一休みしながら流れる人波を見ていた。外国人を含めて、観光客は皆「おのぼりさん」に見えた。浅草の人出はすごい。地下鉄の改札口を出たところから人で溢れている。驚いたのは和菓子屋亀十の人の列。整理券すら配られている。雷門では人力車が何台も人待ち顔で並んでいる。浅草の観光センターにも列ができている。オーバーツーリズムと批判もされるが、人が多いと活気がある。閑散としているより、この喧騒の方が余程浅草らしい。新仲見世を歩いてみた。

俳句フォトエッセイ

花冷の地下鉄サリンの記憶かな

高市•トランプ会談がどのようになったか、気になってテレビのニュースを見ていたら、地下鉄サリン事件から31年目というテロップが現れた。「そうか、31年になるんだ」ぼくは、その時港区立麻布小学校の教頭職にあったことを思い出した。麻布小学校の最寄りの駅は神谷町。ぼくは、その朝も日比谷線の神谷町駅で降りて出勤していた。最も深刻な被害を受けてのは霞ヶ関だったが、神谷町駅も大混乱に陥った。1時間違っていたら、ぼくもこの事件の被害者になっていたかもしれない。なにしろ、死者14人、負傷者6000人以上に及ぶ未曾有の事件だったのだから。

俳句フォトエッセイ

花冷のままに一夜を過ごしたる

冬に戻ったように寒い。雨まで降っている。住吉桜は満開のまま凍結しているようだ。正に花冷である。一瞬の絶頂があり桜散るのが普通だが、頂点で止まってしまうこともあるのだ。昨年「花冷」という題の俳句の連作を所属している俳誌「梓」に出したことを思い出した。締切を1ヶ月間違えていて、催促され慌てて詠んだものだ。気分がイライラしていて、句にも影響している。