満を持して天を向きたる花水木
桜の季節が終わりに近づいてきたと思ったら、それを待っていたかのように花水木がすでに小さな蕾をほどき始める。桜の花が下を向いて咲くのに対して、花水木の花は天を向いて咲く。最近はぼくの歩く道にも花水木をよく見かける。春の開花はもちろん、秋の紅葉も美しく、一年を通して目を楽しませてくれる。歩道を壊しにくいおとなしい根、葉が横に広がり、歩道に柔らかい影を作るのも好ましい。加藤楸邨は《一つづつ花の夜明けや花みずき》と詠んでいる。花水木はアメリカ原産でアメリカヤマボウシとも呼ばれる。こんな歴史がある。ワシントン、ポトマックのほとりの見事な桜をご存知だろう。


