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季語薄暑

(はくしょ)[夏]

初夏、うっすらと汗ばむほどの暑さ。

この季語の俳句フォト:6句

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俳句フォトエッセイ

駅前の巨象の如きビル薄暑

午前中の仕事が終わり、グダグタしていたら午後の3時を過ぎた。家の中にいても仕方ないと思い、散歩に出かけた。元住吉の駅を過ぎ、綱島街道を渡った。「この辺りに喫茶店があったはずだ」しかし、その喫茶店はシャッターが降りていた。駅まで戻ってきて綱島の古民家喫茶を思い出した。念のため、スマホで調べたら、休みだと分かった。代わりに自由が丘に出かけた。気になっていた小洒落たカフェに入った。ホットケーキを頼もうかと思ったが、あまりにデコレーションがしつこそうなので、諦めてコーヒーだけ注文した。隣では、女の子が二人スパゲッティをシェアして食べている。子連れのママもいる。

俳句フォトエッセイ

薄暑めく東京タワー展望台

東京タワーの展望台に来ている。エレベーターで45秒だ。大型連休は終わったとは言え、相当な人出だ。目の前には高層ビルが林立している。麻布台ヒルズなどは見上げるほどの高さだ。スカイツリーは先っちょだけが見える。下を見たら懐かしい建物が見えた。港区立御成門小学校の校舎だ。ぼくは45歳からの5年間、毎日東京タワーを見て過ごした。最初の3年間は麻布小学校から、次の2年間は御成門小学校からである。御成門小学校は、桜小や神明小など6つの学校が合併して開校した。40年前としては、最新の設備を備えた学校だった。エレベーターはもちろんだが、全校児童を一堂に集められるランチルームもあった。

俳句フォトエッセイ

薄暑めく千客万来露天風呂

江東区立豊洲小学校の俳句教員研修会の日だった。先日届いたダウン誌深川の今号もの特集「海の見える公園さんぽ」を見ていた。魅力的な公園が紹介されている。まずは海の森公園。この3月に開園したばかりだ。広さは東京ドーム13個分というから半端ではない。行ってみたいなと思ったが、些か遠い。豊洲ぐるり公園ぐらいなら、午後からの研修会に間に合いそうだ。このタウン誌深川は、すでに283号。江東区の魅力を余すところなく伝えているダウン誌だ。特集だけではない。新進俳人の西村麒麟氏のエッセイから始まり、地元の町会を巡る記事があると思えば、久染健夫さんの「江戸名所図会」の連載は83回を数える。

俳句フォトエッセイ

真剣な眼差し浴びる薄暑かな

中央に立っているピンクのシャツの男は僕である。江東区立第二辰巳小学校(二辰小)の先生方の俳句研修会に招かれた。二辰小は昨年度開校五十周年を迎えたが、僕は十周年の時にこの学校に在籍していた。考えると、その時から四十年だ。校舎は当時のままである。コンクリートの打ちっぱなし。南北に長い廊下が通り、その両脇に教室が配置されている。デザイナーズ校舎のような斬新な作りであるが、使いにくさもあった。教室の両面がガラス窓なので、掲示物を張る場所が少ない。教室が一つ一つ独立しているので連携が難しかった。今はメトロ有楽町線が通り、駅前の学校になっているが、当時はバスしか交通機関がなかった。

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薄暑光煉瓦の壁の向かう側

たらこスパゲッティがめっちゃうまい。三楽病院での三ヶ月に一度の定期検診の後、ここに来るのが楽しみだ。モラットリアレモンというイタリア料理店で、レモン画翠という画材屋の経営する店である。苺グレープフルーツジュースがランチに付いている。これはぼくにとっては幸せの味だ。とんかつの「いもや」が姿を消して以来、三楽病院に通院する時はいつも「レモン」に来る。三楽病院は、かつては教職員の病院だった。今は「教職員特権」のようなものはないが、縁で二十年にわたってこの病院の生活習慣病科に通い続けている。「病気」はプライパシーの最たるものである。

俳句フォトエッセイ

薄暑光自由が丘に停まりをり

今、大相撲の夏場所が行われているが、僕が大相撲を最初にテレビで見たのは自由が丘だった。駅前に街頭テレビがあり、黒山の人だかりだった。今は当然スローモーションだが、当時は分解写真というのがあり、カクカクと力士の動きを映し出していた。もちろんモノクロである。父が僕に見せるために連れてきたのだろう。僕の中で自由が丘は、父・小山正孝(詩人・1916年-2002年)の記憶と結びついている。一つは僕が「ヴェニス」と呼んでいる領域である。駅から歩いて5、6分であろうか。その一画だけ、イタリア風の瀟酒な建物が並び、「運河」が掘られ、ゴンドラが浮かんでいる。父が散歩の途中によく立ち寄った場所だった。