意味もなくボール持つ手や春の午後
校庭に脚を踏み入れると、子供たちの甲高い声が響いていた。もう、新学期が始まったのだ。学童保育の子供たちだろう。無邪気な元気さが微笑ましい。駆け回るのが楽しくてたまらないという感じだ。地元の小学校に俳句の授業の打ち合わせで訪れた。桜の木に緑が増え始めたと思ったら、もう花水木がしっかり花をつけている。銀杏が小さな葉を無数につけている。打ち合わせの時間まで、少し余裕があったので、遊んでいる子供たちを眺めていたら、一人の男の子が、ぼくのそばに来て「誰?」と聞いてから、気がついたように「あっ、俳句の先生だ」と言う。去年教えた子がぼくの顔を覚えていたのだろう。「ねぇ、俳句作って!」

