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トラウマ

俳句フォトエッセイ

アカシアのロールキャベツや夏祓

6月30日。今年も半分が終わる。この日に、全国の神社で名越の祓が行われる。半年間の穢れを祓い、続く半年を無病息災で過ごせるように願う神事である。俳人の深見けん二は《三味線の稽古にはげみ夏祓》と詠んでいる。ぼくの場合は何だろうと考えて、冒頭の句となった。1年ほど前の夏だった。学生時代から通っている懐かしい新宿のアカシアにいつものロールキャベツを食べに行った。ドロドロした何とも言えないスープに何の肉かよくわからないロールキャベツが二つ浮いている。50年前と店も料理も変わらない。今でも人気らしく行列ができている。1250円。値段だけは高くなったが、他は昔のままだ。ところがその日、異変があった。

俳句フォトエッセイ

警官の顔に吹き出す玉の汗

公園の柵に腰掛け、昼食を取っていた。あまり食欲はない。研修会の開始時刻が迫っていたので千代田寿司で干瓢巻きを買ったのだ。そこに警察の車両が止まり、警官が二人降りてきて、何やら調べている。どうやら事故があったらしい。ぼくにも「何か見ませんでしたか」と聞いてきた。この暑さで、警官の顔には既に玉の汗だ。「大変だなぁ」素直な感想だ。思わず「ご苦労様」と声をかけた。学生時代を思い出した。大学紛争の最中で、ぼく自身も若くて生意気だった。大学キャンパスから当時住んでいた学生寮に変える途中だ。時刻は午前2時頃である。警官に呼び止められた。「どこに行くんだ?」「そっちに行くんだ」「どこからきたんだ?」