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宮本卯之助商店

俳句フォトエッセイ

閉店まで粘る輩や秋灯し

この日もカフェの閉店まで粘った。4時間は居ただろうか。図書館でものを書いたり、本を読んだりすればいいのに、どうもあの堅苦しい静寂が苦手だ。感泣亭には、父の残した立派な書斎があるし、スペースもある。冷暖房は自分の具合にあわせられるし、好きな音楽を聴ける。よほど便利だとは思うのだが、何だか落ち着かない。思い出してみると、ぼくの「書斎」の半分は喫茶店だった。最初は、浅草のフラミンゴだ。この店は国際通りにあり、今でも2階のバーは残っているはずだ。お神輿で有名な宮本卯之助商店の一つおいた隣にあった。鮮やかな緑色の壁に大きな絵がかかっていた。前金制で濃いフランス風のコーヒーが出てきた。

俳句フォトエッセイ

大川に桜の雨の降りしきる

吾妻橋のアサヒビールの22階からの眺めはなかなかなものだ。桜が満開になるのも近いだろう。浅草の思い出をもう少し語りたくなった。ぼくは、30年もの間、墨田区の業平橋に住んでいた。スカイツリーのすぐ近くだ。浅草までは歩いて15分ほど。入り浸っていたと言ってもよい。しかし、酒は飲まなかったので、飲み屋だけは知らない。有名な神谷バーすら行ったことがない。代わりに行ったのが、喫茶店だ。入り浸った最初の店は「misty」と言った。純喫茶ではなく、スナックといた風情。ジュークBOXがあり、ぼくはここでフランソワーズアルディの「もう森へなんか行かない」を知った。当時流行っていたインベーダーゲームにもハマった。