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村上鬼城

俳句フォトエッセイ

東京のどこもかしこも大暑かな

今年の梅雨は涼しかった。東京で30度以上の真夏日を記録したのは、たったの2日しかない。それが突然暑くなった。こう、急激に気温が変わると体がついていけない。梅雨明けの空も街もギラギラしている。もうすぐ二十四節気でいう「大暑」である。一年中で一番暑い時期だ。今年の大暑は、7月23日から8月6日頃。おそらく今年も耐え難い暑さが続くのだろう。ただ、ぼくには楽しみがある。土用の丑の日だ。「鰻を食べたい」近年鰻は高騰し、とても手が出せない。しかし、この日ばかりは無理してでも鰻を食べることにしている。土用の鰻を定着させたのは平賀源内とされている。

俳句フォトエッセイ

東京の真ん中にゐて杜鵑草(ほととぎす)

豊島区の目白庭園に出掛けた。住宅地の真ん中にあるこの公園は1990年に作られ日本庭園である。それほど広くはないが(と言っても千坪近くある)池あり、滝ありでなかなか風趣に富んだ庭園だ。西武線の線路脇に位置しているのに、電車の音は気にならない。近くには、鈴木三重吉が起こした「赤い鳥社」の跡地があり、説明板が立っていた。目白庭園の入園料は無料。池の端に建つ六角浮見堂に座り、色づき始めた樹々を眺めると都心にいることを忘れる。結婚式の前撮り写真であろうか、白無垢や打掛を着た花嫁さんの姿が眩しい。七五三の記念写真を写している親子もいる。野草園と示された一角には、秋明菊や杜鵑草が花をつけていた。