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東京のどこもかしこも大暑かな

小山正見

今年の梅雨は涼しかった。東京で30度以上の真夏日を記録したのは、たったの2日しかない。
それが突然暑くなった。こう、急激に気温が変わると体がついていけない。
梅雨明けの空も街もギラギラしている。
もうすぐ二十四節気でいう「大暑」である。一年中で一番暑い時期だ。今年の大暑は、7月23日から8月6日頃。
おそらく今年も耐え難い暑さが続くのだろう。
ただ、ぼくには楽しみがある。土用の丑の日だ。
「鰻を食べたい」
近年鰻は高騰し、とても手が出せない。しかし、この日ばかりは無理してでも鰻を食べることにしている。
土用の鰻を定着させたのは平賀源内とされている。本来は冬が旬とされ、夏場に売れなかった鰻を「丑の日に『う』のつくものを食べると病気にならない」という民間信仰にひっかけて大流行させたのだ。
ぼくにはこの時期、「暑さ」に加えて、もう一つ困ったことがある。それは「寒さ」だ。冷房はもちろん必要だが、ガンガンと効きすぎる。電車も喫茶店も入った瞬間は気持ちいいが、しばらくすると身体が冷えてくる。一枚羽織ってもまだ寒い。困ったものだ。
村上鬼城に《念力のゆるめば死ぬる大暑かな》の句がある。
念力ほどの力はないが、暑さにも寒さにも負けずにどうにかこの時期を乗り切りたいものだ。

都政新報7/21付 「暮らしを楽しむ俳句フォト」41