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桜吹雪

俳句フォトエッセイ

散歩道花の塵にもある風情

東京の桜の季節は終わりに近づいている。各地で行われていた桜まつりも無事に幕を閉じたことだろう。開花から約3週間。桜は様々なドラマを我々に見せてくれた。咲きはじめは「初桜」。初々しく可憐だ。それが満開、花盛りとなるにつれて艶やかになる。《花の雲鐘は上野か浅草か》は芭蕉の有名な句だが、満開の桜は街の様相まで一変させてしまう力がある。「花冷」という寒さもこの美しさを引き立てるスパイスのようなものだろう。桜の不思議は、散り際にもドラマがあることだ。「桜吹雪」と言えば時代劇の遠山の金さんを思い出す人もいるかもしれない。高浜虚子の弟子だった高野素十は《空をゆく一かたまりの花吹雪》と詠んだ。

俳句フォトエッセイ

二ケ領用水さくらの壁のある如く

東京新聞川崎版4/6「小山正見のかわさき俳句フォト」です。本年度もよろしくお願いいたします。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/396657 二ケ領用水さくらの壁のある如く冷たい雨がやみ、気温が上がった。たちまち桜が開花し、あっという間に満開になってしまった。宿河原の二ケ領用水沿いの桜並木は美しい。約300本のソメイヨシノが壁のごとくに空間を埋めている。ソメイヨシノは、接ぎ木で複製されたクローンである。同じ遺伝子を持つので、一斉に咲き一斉に散る。その美しさは、日本人の理想の桜に重なる。接ぎ木や挿し木で大量に栽培することができ、比較的安価。