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立冬

俳句フォトエッセイ

立冬のトーテムポールの顔に皺

神保町の有名な喫茶店「さぼうる」である。今や観光地化の様相も感じられるが、若いカップルで賑わっている。開店したのは1955年というから70年前だ。その当時からこのトーテムポールがあったかどうかは定かではないが、さぼうるの象徴的な存在である。若い時は、休日となると神保町に出かけ、本屋を漁り喫茶店で本を読むのが日課のようになっていた。本を買うのは「書泉グランデ」と決まっていた。一つは教育関係図書が充実していたことだ。雑誌も揃っていた。もう一つの理由は「栞」である。毎月変わった形の栞をおまけにくれたからだ。ブックカバーにもセンスが感じられた。

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立冬やいつの間にかの北綾瀬

三郷に向かう途中だった。いつものように明治神宮前からメトロ千代田線に乗った。このまま行けば、乗換駅の新松戸まで行くはずだ。ところが、突然の車内アナウンス。「次は北綾瀬」北綾瀬行きの千代田線があるとはびっくりした。北綾瀬は足立区だ。ぼくが最初に勤めたのも足立区だった。江北小学校という歴史の古い学校だった。降りるバス停は「荒川土手」まだ高速道路ができる前のことだ。江北橋のたもとあたりである。当時の足立区の南北に走る鉄道は、東武伊勢崎線だけだった。今は、舎人までモノレールが通り、筑波エキスプレスもある。それに千代田線の北綾瀬までの延伸。大分便利になった。

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蒼天に渦を巻きたる秋の雲

妻がお世話になっているグループホームの前である。既に4年が過ぎた。ぼくはこの土地を200回以上見続けてきたことになる。最初は畑でかなりの部分で作物が作られていた。昨年はキャベツが二畝植えられていたが、収穫されずに菜花の茎が伸び放題になっていた。その土地を半分売ったらしい。白い膜が張られ、工事が始まったようだ。住宅かマンションだ建つ気配が強い。大きなクレーンが入っているのを見ればマンションの公算の方が高いだろう。それにしても久しぶりの秋らしい空だ。湿度が下がったということだ。空の奥まで見通せるかのようだ。空に見える雲は、おそらく巻雲だろう。