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酉の市

俳句フォトエッセイ

宵闇の路地を曲れば湯の匂ひ

【銭湯紀行】22入谷白水湯入谷と言えば、まず頭に浮かぶのは「恐れ入谷の鬼子母神」というユーモラスな言葉だ。鬼子母神は安産や子育ての神様だ。雑司ヶ谷にも鬼子母神がある。ぼくはその境内での赤テントの公演、唐十郎作の『盲導犬』を見たことがある。満員のテントの中にシュールな緊張感が走っていた。それはさておき、入谷である。古い下町が残っている。建て直された大正小学校にも窓の形などに昔のモダンが色濃く残っているし、昔の建物のままの酒屋さんも健在だ。地域の稲荷信仰も廃れたようには見えない。その中に、現代的な和風を売りにした民泊施設が点々と生まれている。白水湯は、そんな街角を曲がった場所にあった。

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手拍子も掛け声も買ふ酉の市

11月12日は酉の市だった。起源は、日本武尊(やまとたける)に遡る。東征の戦勝を鷲神社に感謝して参拝したという故事による。現在では商売繁盛を願うお祭りだ。東京で一番有名なのは、浅草の鷲神社だろう。狭い境内に縁起物の熊手を売る露店が立ち並び、威勢のよい掛け声が飛び交う。酉の市が催される神社は都内に三十ヶ所以上あるが、今回は新宿の花園神社に出かけた。靖国通り沿いから所狭しと露店が並んでいる。焼きそばやベビーカステラ、チョコバナ、焼き鳥なんでもござれだ。境内に入ると十段もありそうな提灯が張り巡らされ、参拝の人の列が続いている。縁起物の熊手を売る露店は60店舗もあるだろうか。

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酉の市所狭しと福の札

今年は11月11日と24日が酉の市である。酉の市というと浅草鷲神社と相場が決まっているが、実は都内だけで30箇所以上で酉の市が行われる。ぼくは、かつて江東区に住んでいたので、富岡八幡宮に行くことが多かった。今年は新宿の花園神社にでかけることにした。ここは規模が大きい。出店の数は圧倒的だ。靖国通り沿いは全て屋台に占められている。熊手を売る店は60店舗程。それぞれの店に番号が振られている。毎年、同じ店が同じ場所に店を出すのだ。各店には、すでに今年買いに来るはずの客の名札が用意されている。一度縁ができたら永久に?その絆は保たれる。