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タワマンの聳ゆる街に流れ星

小山正見

写真は武蔵小杉の高層マンション群である。
ぼくが子どもの頃、武蔵小杉は何もないところだった。東横線改札の東側は工場で立ち入ることすらできなかった。NECや富士通の工場や研究所、社宅などが立ち並んでいた。明治製菓の工場もあったような気がする。
流れが変わったのは1990年代の後半だ。工場が次々と移転し始めた。バブル崩壊とも関係があるのだろう。
最初のタワマンが建ったのは2008年のパークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワーである。53階、高さは203メートルにもなる。
現在は15棟ほどの高層マンションが林立する街になった。
グランツリーなど大型の商業施設も充実している。
武蔵小杉が「住みたい町」のランキングに入るのはわかる気がする。
実は10年ほど前、モデルルームを見学に行ったことがある。三井不動産の最新のタワマンだった。内廊下でまるでホテルのようだった。
モデルルームだから当然だが、部屋もなかなか小洒落ている。一つ一つの部屋のサイズが少々小ぶりな気がしたが、こんなものだろう。
しかし、値段を聞いて驚いた。北西向きなのに九千万を超えていた。
「この客は買う気がない」とはっきりわかったのだろう。後から売り込みの電話は一本もかかって来なかった。
「小山正見のかわさき俳句フォト」に武蔵小杉をまだ取り上げられないでいる。
武蔵小杉をどう評価するか、ぼくの中で揺れているからだ。