俳句フォトエッセイ2025.06.26名物の紫陽花通りとなりにけり小山正見八名川小学校の裏手である。見事な紫陽花だ。これは、中村友子さんを中心とした八名川小学校の「花の会」の皆さんの15年に渡る努力の結晶だ。学校の校門にも、目の前にある八名川公園にも紫陽花が美しく花をつけている。八名川公園は、花の会の皆さんが守備範囲を広げた結果だ。6月の半ばには校庭にある枇杷の実を収穫してジャムを作るらしい。ぼくが八名川小学校に赴任したのは、今から21年前である。そして、6年間在職した。思い起こすと、この間に色々な事業に取り組んだ。学習塾と連携した習熟度学習、ICタグによる児童の登下校安全システムの実験、放課後クラブの誘致、90周年記念行事と結んだ地域組織八名川ファミリーの創設、発見・感動・創造の俳句教育etc.また、この間に、ウイークエンドスクールや毎日更新のホームページ、保護者による毎週の全クラスでの読み聞かせなども行なわれた。考えれば、よくやったものだ。そして、最後に取り組んだのが、緑の学校構想と校庭の全面芝生化であった。芝は手入れが面倒くさいが、転んでも痛くないし、けがもしない。何より感触が気持ちいい。みどりが目に優しく、気温を下げる効果もある。校庭の芝生化という区の提案に最初に手を挙げることにした。「最初は、得をする」放課後クラブの誘致の時も区で最初だった。区も成功させたいので、潤沢に予算を付けてくれる。また、実施する学校側の要望を相当に聞いてくれる。(後で、制度が整ってからだととてもそういうわけにはいかない)やるなら最初に限る。多少の反対や心配を押し切って、やることにした。緑の学校構想は、①校庭の芝生化②壁面の緑化③みどりのカーテン④屋上緑化⑤校内の緑化の5点を考えていた。実現したのは、③のみどりのカーテンと①の校庭の芝生化である。正直なところ、校庭の芝生化は失敗したと思った。折角養生して芝がきれいに生えそろっても子どもたちがあそび始めるとたちまちはげてしまうのだ。それに校庭を使えない期間も生じる。頭を抱えた。運動会まではどうにかもっても、終ると無残なものだった。芝のみどりより、こどもたちの方が大切だ。結局一年の多くをすり切れた芝の中で過す羽目になってしまった。先日、八名川小学校を訪れてびっくりした。運動会が終ったばかりだというのに、校庭の芝は青青しているではないか。これならOKだ。ぼくの後の先生方が負の遺産を甦らせてくれたのだ。強い芝の品種に変えたり、養生の仕方、手入れの仕方を相当に工夫したに違いない。校庭は見事な芝生、そして学校の周りは花盛り。嬉しいことこの上ない。八名川小学校は不滅である。
八名川小学校の裏手である。見事な紫陽花だ。これは、中村友子さんを中心とした八名川小学校の「花の会」の皆さんの15年に渡る努力の結晶だ。学校の校門にも、目の前にある八名川公園にも紫陽花が美しく花をつけている。
八名川公園は、花の会の皆さんが守備範囲を広げた結果だ。6月の半ばには校庭にある枇杷の実を収穫してジャムを作るらしい。
ぼくが八名川小学校に赴任したのは、今から21年前である。そして、6年間在職した。
思い起こすと、この間に色々な事業に取り組んだ。
学習塾と連携した習熟度学習、ICタグによる児童の登下校安全システムの実験、放課後クラブの誘致、90周年記念行事と結んだ地域組織八名川ファミリーの創設、発見・感動・創造の俳句教育etc.
また、この間に、ウイークエンドスクールや毎日更新のホームページ、保護者による毎週の全クラスでの読み聞かせなども行なわれた。考えれば、よくやったものだ。
そして、最後に取り組んだのが、緑の学校構想と校庭の全面芝生化であった。芝は手入れが面倒くさいが、転んでも痛くないし、けがもしない。何より感触が気持ちいい。みどりが目に優しく、気温を下げる効果もある。
校庭の芝生化という区の提案に最初に手を挙げることにした。
「最初は、得をする」
放課後クラブの誘致の時も区で最初だった。区も成功させたいので、潤沢に予算を付けてくれる。また、実施する学校側の要望を相当に聞いてくれる。(後で、制度が整ってからだととてもそういうわけにはいかない)
やるなら最初に限る。多少の反対や心配を押し切って、やることにした。
緑の学校構想は、①校庭の芝生化②壁面の緑化③みどりのカーテン④屋上緑化⑤校内の緑化
の5点を考えていた。実現したのは、③のみどりのカーテンと①の校庭の芝生化である。
正直なところ、校庭の芝生化は失敗したと思った。
折角養生して芝がきれいに生えそろっても子どもたちがあそび始めるとたちまちはげてしまうのだ。それに校庭を使えない期間も生じる。
頭を抱えた。運動会まではどうにかもっても、終ると無残なものだった。芝のみどりより、こどもたちの方が大切だ。結局一年の多くをすり切れた芝の中で過す羽目になってしまった。
先日、八名川小学校を訪れてびっくりした。運動会が終ったばかりだというのに、校庭の芝は青青しているではないか。これならOKだ。
ぼくの後の先生方が負の遺産を甦らせてくれたのだ。強い芝の品種に変えたり、養生の仕方、手入れの仕方を相当に工夫したに違いない。
校庭は見事な芝生、そして学校の周りは花盛り。嬉しいことこの上ない。
八名川小学校は不滅である。