俳句フォトエッセイ2025.08.11炎天の木漏れ日と化す光則寺小山正見光則寺は、鎌倉市長谷にある日蓮宗のお寺だ。紫陽花で有名な長谷寺の少し北に位置する。創建は13世紀後半。日蓮が「立正安国論」を幕府に献上した場所とされている。本堂の前には高さ3メートルにもなる立正安国論を刻んだ石碑がある。日蓮の高弟日朗を閉じ込めた石牢が今も残っている。江ノ電の長谷駅は観光客でごった返していた。歩道を歩けないほどの混雑だ。外国人の姿も多い。しかし、ここは静かだ。観光客は一人もいない。入場料の100円を払い、見事な丹色の門を潜ると極楽浄土のような別世界が広がっている。紅色の蓮の花が出迎え、蝉の声が響く。本堂を遠巻きにして蝉時雨 正見光則寺は花の寺と言われている。QRコードで読み込める寺の地図は「花の地図」になっているほどだ。紫陽花は、全て来年に備えて芽の上で切られていた。長谷寺の紫陽花も見事だが光則寺もいいかもしれない。寺の周りは深い森だ。ほの暗い一画に孔雀の檻があった。手を叩くと羽を広げ、こちらに歩いてくる。もう10年以上一羽だけで飼われているらしい。木下闇孔雀の羽に金の色 正見猛烈な暑さだ。空には雲一つない。にもかかわらず、森の木の葉を通して降り注ぐ日は柔らかく、吹く風は涼しい。誰もいない光則寺は正に極楽浄土であった。
光則寺は、鎌倉市長谷にある日蓮宗のお寺だ。紫陽花で有名な長谷寺の少し北に位置する。
創建は13世紀後半。日蓮が「立正安国論」を幕府に献上した場所とされている。本堂の前には高さ3メートルにもなる立正安国論を刻んだ石碑がある。日蓮の高弟日朗を閉じ込めた石牢が今も残っている。
江ノ電の長谷駅は観光客でごった返していた。歩道を歩けないほどの混雑だ。外国人の姿も多い。
しかし、ここは静かだ。観光客は一人もいない。
入場料の100円を払い、見事な丹色の門を潜ると極楽浄土のような別世界が広がっている。紅色の蓮の花が出迎え、蝉の声が響く。
本堂を遠巻きにして蝉時雨 正見
光則寺は花の寺と言われている。QRコードで読み込める寺の地図は「花の地図」になっているほどだ。
紫陽花は、全て来年に備えて芽の上で切られていた。長谷寺の紫陽花も見事だが光則寺もいいかもしれない。
寺の周りは深い森だ。ほの暗い一画に孔雀の檻があった。手を叩くと羽を広げ、こちらに歩いてくる。もう10年以上一羽だけで飼われているらしい。
木下闇孔雀の羽に金の色 正見
猛烈な暑さだ。空には雲一つない。にもかかわらず、森の木の葉を通して降り注ぐ日は柔らかく、吹く風は涼しい。誰もいない光則寺は正に極楽浄土であった。