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紫陽花を門柱として山の寺

小山正見

恒例の鎌倉吟行である。台風が接近しているとあり、実施できるのか多少の心配はあったが、とにかく鎌倉に向かう。
8時からはサッカーW杯日本・スエーデン戦がテレビである。電車の中でスマホで観戦。同じ格好で見入っている人もいる。
台風のせいか、鎌倉駅前もいつものような人出ではない。運よく雨も止んだ。
今日の目的地の一つは妙法寺である。日蓮が鎌倉で布教を始めた草庵があることで有名だ。
お寺は、緑の山に隠れんばかりだ。

山々を借景として夏の寺

入口で拝観料を払うと線香を一本渡された。

線香を立てて合掌蓮の花

境内にはさまざまな花が咲き乱れている。ここも花の寺なのだ。

睡蓮の水の中なる蕾かな
群生の半夏生また半夏生
緋目高とお玉杓子と睡蓮と
刈られたる先より伸びて松の芯

見たままをそのまま十七音に落としていく。句の良し悪しは別として、ぼくはこの瞬間が好きだ。さらに深いところまで見て、感じることができればいい俳句作者になれるのだが(笑)
とにかく静かだ。雨の中で鳥の囀りも聞こえない。

絵に描いたやうな静寂青時雨
桔梗の音なく開く山の寺
静けさに音ありとせば青楓

妙法寺の後は、すぐ近くの安国論寺に向かった。日蓮が「立正安国論」を執筆したとされる窟がある。

安国論纏めし窟や苔の花

墓地には土光敏夫の墓があった。

無と書きぬどでかき墓石竹の秋

こんな風にしてI時間半で30句ぐらいは詠み散らしたであろうか。他には次のような句もある。

格子戸の奥に格子戸山法師
料理屋の茅の輪潜りは雨の中

この料理屋の名前は「北じま」と言う。念のためネットで調べてみたら、予約はコース料理のみで値段は「時価」とあったが、別の情報では一人30000円(税抜)らしい。
句会場に到着した途端台風の猛烈な雨が降ってきた。