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道端に両手広げた雪だるま

小山正見

道端にまだ小さな雪だるまが溶け残っていた。手袋の両手を広げ、よく見ると目もちゃんとついている。
ここは国分寺市だ。国立駅からバスで15分ほど。農地や雑木林も所々残っている。
俳句の授業の要請があってここに来た。この年になって、こうした要請があるのは嬉しい。
最初の雪の記憶は一枚の写真だ。父に抱かれたぼくが庭に作られた雪だるまの隣で笑っている。ぼくは病気で寝ていて、父に「雪だるまを作って」とねだったのかもしれない。そんな記憶がチラッとある。
次は中学3年の時だ。都立高校の合格発表の日だった。
受かっていた。
学校に戻って、校庭で思い切り友達と雪を投げ合って遊んだ。
そう言えば仲の良い友人の結婚式が春分の日にあった。かなりの大雪だった。彼らはこの日を一生覚えているだろうと思った。
教頭になり、港区の麻布小学校に勤務していた時のことだ。学校にとって大きな行事である研究発表会が終わった夜から大雪になった。
次の日は休日だったが、朝から学校に出掛けて一人で雪掻きをした。数時間頑張って、門に続く道を確保した。雪掻きの記念に小さな雪だるまを校門の脇に作った。道路脇の雪だるまはそのことをぼくに思い出させた。
これで明日朝の児童の登校は安全だろう。自分が学校を守っている気がして、満足感に浸った。