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大衆演劇

俳句フォトエッセイ

花吹雪桜吹雪や九月尽

川崎市川崎区大島にある大島劇場が28日、最終公演を終え、閉館した。76年の歴史に幕を下ろしたことになる。朝日新聞の記事によると、これだけ昔の雰囲気を残す芝居小屋は全国的にも珍しいとあった。東京新聞川崎版の「小山正見のかわさき俳句フォト」の取材でこの芝居小屋を訪れたのは、昨年の暮れだった。入場料が2000円。映画を観るのと同じぐらいの金額だ。それに座布団を借りると100円、座椅子が100円。畳の上に胡座をかいて座った。2回目に行った時には、観客は4人しかいなかった。それでも座員は懸命に演技し、踊る。ライトに白い肌が浮かび、目がキラキラと輝く。まるで映画『国宝』の吉沢亮のようだった。

俳句フォトエッセイ

始まりは川崎市役所燕来る

「燕来る」は春の季語だ。「燕の子」は夏。そして「燕帰る」が秋である。「小山正見のかわさき俳句フォト」は春に始まった。東京新聞川崎支局から依頼が来たのが2024年の3月の初め。連載の開始は4月だった。しょっぱなに何を取り上げるか、今の川崎の発展を象徴するものが何かを考えた。そして辿り着いたのが、市役所の展望台だった。ぼくが子どもの頃、川崎は悪名高い公害の街だった。煤煙で空が煤け、川崎喘息か蔓延していた。それが川崎の発展の誇りでさえあった時代があったのだ。公害反対の運動が幅広く行われ、行政も本腰を入れるようになり、公害は克服された。市役所の展望台こそ、公害克服の象徴的な場所である。

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極月の紙吹雪舞ふ芝居小屋

「大島劇場はここが便利です」と臨港バスのアナウンスで聞いた。「こんな所に劇場があるのか」川崎区大島。交通の便が良いとは言えない場所だ。しかし、大島劇場は1950年の創業。75年間営業を続けてきた。知る人ぞ知る大衆演劇を象徴する芝居小屋である。大衆演劇は根強い人気をもつ。全国に50以上の芝居小屋があり、それを上回る数の劇団が活動している。如何にも昭和レトロの芝居小屋。畳敷の観客席には座布団と座椅子が用意されている。毎月、公演する劇団は変わるが、今月は「笑門(えもん)」という結成3年目の若い劇団だった。座長は、天昇屋心竜。実に格好良い名前だ。年末の24日まで休みなく公演を行う。