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花吹雪桜吹雪や九月尽

小山正見

川崎市川崎区大島にある大島劇場が28日、最終公演を終え、閉館した。76年の歴史に幕を下ろしたことになる。朝日新聞の記事によると、これだけ昔の雰囲気を残す芝居小屋は全国的にも珍しいとあった。
東京新聞川崎版の「小山正見のかわさき俳句フォト」の取材でこの芝居小屋を訪れたのは、昨年の暮れだった。
入場料が2000円。映画を観るのと同じぐらいの金額だ。それに座布団を借りると100円、座椅子が100円。畳の上に胡座をかいて座った。
2回目に行った時には、観客は4人しかいなかった。それでも座員は懸命に演技し、踊る。ライトに白い肌が浮かび、目がキラキラと輝く。
まるで映画『国宝』の吉沢亮のようだった。
申し訳なくなって、レイを買って着物の襟に挟んだ。
その話を友人にしたら、興味を持って観に行ったらしい。
その時の写真が送られてきた。
そこには、万札を何枚も何十枚も襟に飾った俳優が写っていた。
大衆演劇とは、こういう世界なのか!「推し」の原点はここにあるような気がした。
驚きながらも妙に納得した。
最終公演は満員御礼でチケットは残っていなかった。
劇場の様子が目に浮かぶようだ。

この句の季語

九月尽くがつじん秋

九月の終わり。秋の深まりと、行く秋を惜しむ気持ちを含む。