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おとなしい

俳句フォトエッセイ

梅雨晴の狭ひながらも露天風呂

【銭湯紀行】その13学芸大学ぽかぽかランド鷹番の湯学芸大学は、ぼくの帽子を作ってくれる帽子屋さん「Virlidian」があるところだ。この日は風呂に入るために降りたのだが、ここが「鷹番」であることに改めて気がついた。鷹番には、戦前に母が住んでいた家があった。ぼくは、一度だけ母に連れられてその場所に行ったことがある。この日、ぼくは母と行ったであろう道を辿ってみた。記憶の中では、緩やかな坂の途中にあったはずだが、行ってみると坂そのものがなかった。すでに婚約をしていた母を奪い取った正孝は、母とこの道を幾度となく歩いたことであろう。母は親の怒りを買い、ある時は家の奥の部屋に閉じ込められたと書いている。

俳句フォトエッセイ

満を持して天を向きたる花水木

桜の季節が終わりに近づいてきたと思ったら、それを待っていたかのように花水木がすでに小さな蕾をほどき始める。桜の花が下を向いて咲くのに対して、花水木の花は天を向いて咲く。最近はぼくの歩く道にも花水木をよく見かける。春の開花はもちろん、秋の紅葉も美しく、一年を通して目を楽しませてくれる。歩道を壊しにくいおとなしい根、葉が横に広がり、歩道に柔らかい影を作るのも好ましい。加藤楸邨は《一つづつ花の夜明けや花みずき》と詠んでいる。花水木はアメリカ原産でアメリカヤマボウシとも呼ばれる。こんな歴史がある。ワシントン、ポトマックのほとりの見事な桜をご存知だろう。