俳句フォトエッセイ2026.07.03梅雨晴の狭ひながらも露天風呂小山正見【銭湯紀行】その13学芸大学 ぽかぽかランド鷹番の湯学芸大学は、ぼくの帽子を作ってくれる帽子屋さん「Virlidian」があるところだ。この日は風呂に入るために降りたのだが、ここが「鷹番」であることに改めて気がついた。鷹番には、戦前に母が住んでいた家があった。ぼくは、一度だけ母に連れられてその場所に行ったことがある。この日、ぼくは母と行ったであろう道を辿ってみた。記憶の中では、緩やかな坂の途中にあったはずだが、行ってみると坂そのものがなかった。すでに婚約をしていた母を奪い取った正孝は、母とこの道を幾度となく歩いたことであろう。母は親の怒りを買い、ある時は家の奥の部屋に閉じ込められたと書いている。(主人は留守、しかし・・・)そして、次の詩を「その頃の自分のことかもしれない」と述べている。 お前のことを 小山正孝お前のことをうたひたいのだ室の真中に立つたままでゐるとほうにくれてゐるやうなお前のことが私の心をとらへてゐるのだこちらを見てごらん 私の方を暗いあたりでなく 窓の方を荷物を置いてこちらへやつて来てごらんだまつてゐないで話しかけてごらんお前の首すじのあたりの感じがよびかけさせたのだ鹿のやうにおとなしいお前床を足音もたてないで歩きはじめてああ どこへ行つてしまはうとするのだ壁を抜けて どこへ お前は行つてしまふのださて、鷹番の湯である。驚いたのは露天風呂があることだ。3人も入ればいっぱいになってしまうような狭い湯だが、露天であることに違いはない。梅雨の合間の晴れ間であることが嬉しかった。湯の温度は比較的低い。様々なジェット風呂が備え付けられている。腰を揉むもの、肩に水流が当たるものなど実に様々。この辺りが売りなのだろう。外の看板にも肩たたき、ドリームバスなど様々なバスが挙げられている。日曜日の夕方だったせいか、小さな子どもを連れたお父さんが多い。タオルと石鹸・シャンプーをセットにした「手ぶらセット」もある。次に行く時は、母の住んでいた家の場所を確認したいと思った。
【銭湯紀行】その13
学芸大学 ぽかぽかランド鷹番の湯
学芸大学は、ぼくの帽子を作ってくれる帽子屋さん「Virlidian」があるところだ。
この日は風呂に入るために降りたのだが、ここが「鷹番」であることに改めて気がついた。
鷹番には、戦前に母が住んでいた家があった。
ぼくは、一度だけ母に連れられてその場所に行ったことがある。
この日、ぼくは母と行ったであろう道を辿ってみた。記憶の中では、緩やかな坂の途中にあったはずだが、行ってみると坂そのものがなかった。
すでに婚約をしていた母を奪い取った正孝は、母とこの道を幾度となく歩いたことであろう。
母は親の怒りを買い、ある時は家の奥の部屋に閉じ込められたと書いている。(主人は留守、しかし・・・)そして、次の詩を「その頃の自分のことかもしれない」と述べている。
お前のことを 小山正孝
お前のことをうたひたいのだ
室の真中に立つたままでゐる
とほうにくれてゐるやうなお前のことが
私の心をとらへてゐるのだ
こちらを見てごらん 私の方を
暗いあたりでなく 窓の方を
荷物を置いてこちらへやつて来てごらん
だまつてゐないで話しかけてごらん
お前の首すじのあたりの感じが
よびかけさせたのだ
鹿のやうにおとなしいお前
床を足音もたてないで歩きはじめて
ああ どこへ行つてしまはうとするのだ
壁を抜けて どこへ お前は行つてしまふのだ
さて、鷹番の湯である。驚いたのは露天風呂があることだ。3人も入ればいっぱいになってしまうような狭い湯だが、露天であることに違いはない。梅雨の合間の晴れ間であることが嬉しかった。
湯の温度は比較的低い。様々なジェット風呂が備え付けられている。腰を揉むもの、肩に水流が当たるものなど実に様々。この辺りが売りなのだろう。外の看板にも肩たたき、ドリームバスなど様々なバスが挙げられている。
日曜日の夕方だったせいか、小さな子どもを連れたお父さんが多い。タオルと石鹸・シャンプーをセットにした「手ぶらセット」もある。
次に行く時は、母の住んでいた家の場所を確認したいと思った。