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きっかけ

俳句フォトエッセイ

雷や讃岐うどんのずずずずず

最近、夕立が多い。昼間の気温が上がり過ぎるからだろうが、毎日のようにどこかで一雨降る。元住吉の駅を降りたら、土砂降りだった。雷鳴も遠くから聞こえる。「どうしよう」駅の売店の傘の値段を見たら700円だった。「それなら」駅前に新しくできた「ずずず」でうどんを食べて待とう。そのうちやむだろう。この店は数日前に開店したばかりだ。以前はここに「富士そば」があった。最近は「丸亀製麺」が各所にでき、お世話になっている。安上がりに一食済ませられるのはありがたい。食券の買い方に迷っていたら、年配の店員が一人、それとなく教えてくれる。それが適切で、差し出がましさもない。顔つきは柔和だ。

俳句フォトエッセイ

春の夜の数珠繰る声や南無阿弥陀仏

きっかけは「オオカミの護符」という一本の映画だった。川崎市宮前区土橋に残るオオカミ信仰の謎を追ったドキュメンタリーである。その中で、すでに住宅地が広がる同区初山の地に今なお「念仏講」が生きていることを知った。昔から続く在家信者の集まりで、地域の信仰と相互扶助の両面を担ってきた。かつては多くの地域で行われてきたが、残っているところは少ない。幸運にもその念仏講の集まりに招かれる日が来た。この日の会場は矢澤英雄さんのお宅だった。家の前には、松の木が見事な枝を伸ばしている。戸口を開けると土間が広がり、まるで民話の舞台にでも迷いこんだようだ。