俳句フォトエッセイ2026.09.02雷や讃岐うどんのずずずずず小山正見最近、夕立が多い。昼間の気温が上がり過ぎるからだろうが、毎日のようにどこかで一雨降る。元住吉の駅を降りたら、土砂降りだった。雷鳴も遠くから聞こえる。「どうしよう」駅の売店の傘の値段を見たら700円だった。「それなら」駅前に新しくできた「ずずず」でうどんを食べて待とう。そのうちやむだろう。この店は数日前に開店したばかりだ。以前はここに「富士そば」があった。最近は「丸亀製麺」が各所にでき、お世話になっている。安上がりに一食済ませられるのはありがたい。食券の買い方に迷っていたら、年配の店員が一人、それとなく教えてくれる。それが適切で、差し出がましさもない。顔つきは柔和だ。新開店なので、ベテラン社員が配置されているのかもしれないと思った。そこへ親子の4人連れが入って来た。4人が座れる席はない。咄嗟にその店員さんが声を掛け、うまく席を配置して、「これでいかがですか」と声をかける。そのトーンが実に優しい。見事なものだと思った。気配りをする。簡単なようで難しい。仕事ならともかく、友人や家族の中では尚更だ。ふいに、40年前の場面を思い出した。それまで、ぼくは、妻は自分と一心同体のようなものだから気遣いなど不要と考えていた。それが、なにがきっかけだったかは忘れたが、「妻は他人だ。一番気遣いをしなければならない相手なのだ」と突然思ったのだ。それがなかったら、離婚していたかもしれない。かと言って、ずっとそうできたかは自信がない。今でも身近な人への気遣いほど難しいのは変わりがない。
最近、夕立が多い。昼間の気温が上がり過ぎるからだろうが、毎日のようにどこかで一雨降る。
元住吉の駅を降りたら、土砂降りだった。雷鳴も遠くから聞こえる。
「どうしよう」
駅の売店の傘の値段を見たら700円だった。
「それなら」
駅前に新しくできた「ずずず」でうどんを食べて待とう。
そのうちやむだろう。
この店は数日前に開店したばかりだ。以前はここに「富士そば」があった。最近は「丸亀製麺」が各所にでき、お世話になっている。安上がりに一食済ませられるのはありがたい。
食券の買い方に迷っていたら、年配の店員が一人、それとなく教えてくれる。それが適切で、差し出がましさもない。顔つきは柔和だ。
新開店なので、ベテラン社員が配置されているのかもしれないと思った。
そこへ親子の4人連れが入って来た。4人が座れる席はない。咄嗟にその店員さんが声を掛け、うまく席を配置して、「これでいかがですか」と声をかける。そのトーンが実に優しい。見事なものだと思った。
気配りをする。簡単なようで難しい。仕事ならともかく、友人や家族の中では尚更だ。
ふいに、40年前の場面を思い出した。
それまで、ぼくは、妻は自分と一心同体のようなものだから気遣いなど不要と考えていた。それが、なにがきっかけだったかは忘れたが、「妻は他人だ。一番気遣いをしなければならない相手なのだ」と突然思ったのだ。
それがなかったら、離婚していたかもしれない。
かと言って、ずっとそうできたかは自信がない。今でも身近な人への気遣いほど難しいのは変わりがない。