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きれい

俳句フォトエッセイ

母の日や母似の人と恋に落ち

私事で恐縮だが、私の妻になってくれた人は、背の高さも体型も母にそっくりだった。そのことに気がついたのは、結婚して何十年も経ってからだ。母とは、必ずしも仲が良かったとは言えなかったが、母への憧れが、いつの間にか身に宿っていたのだろう。気がつけば、母の日である。花屋に行くと、カーネーションの花束がきれいにラッピングされている。デパートの母の日フェアには若い男性の姿も目に入る。母の日は、母に感謝する日を作りたいと願ったアメリカ人女性アンナ・ジャービスの運動から生まれた。日本に伝わったのは、大正末期らしいが、当初からデパートの販促活動と結びついていたようだ。

俳句フォトエッセイ

春陰や人の歯垢をとる仕事

ガリガリと歯垢をとる音。時計を見ると、治療を始めてから既に1時間経っている。昨年から通っている歯科医院の一室である。好きな人はいないだろうが、ぼくも歯医者が嫌いだ。抜けた歯を20年以上放っておいた。それが、ある事情で歯医者に行かざるを得なくなった。ぼくは、子供の時から歯は丈夫だった。乳歯が頑丈過ぎて、抜けない。仕方なく、歯医者で何本も抜いたこともあった。つい半年前のことだ。一本の歯がグラグラするので歯医者で診てもらったら、なんと乳歯だった。歯の手入れも極めて杜撰だった。歯磨きも朝に一回だけ。しかも、形ばかり。いつの間にか歯磨き粉も使わなくなった。歯の治療が一応終わったところで歯医者に言われた。