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カフェ

俳句フォトエッセイ

秋晴れの地下に潜れば読書バー

日本人の読書離れが止まらないという。町からは書店が消えつつある。日本人の6割が月に1冊も本を読まないという統計もある。その一方で読書会が各地で開催されたり、ブックカフェが生まれたりしている。東京のど真ん中、銀座にもブックカフェはいくつもある。GINZA SIXにある蔦屋書店にはスターバックスが併設されているし、教文館にもカフェがある。その中でも一風変わった読書バーに足を踏み入れてみた。素晴らしい秋晴れに別れを告げてビルの地下2階に降りると、重厚なドアがあり、その向こうに読書バーがあった。入ると、洋酒の瓶に挟まれるように宮沢賢治の著作が並んでいる。

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閉店まで粘る輩や秋灯し

この日もカフェの閉店まで粘った。4時間は居ただろうか。図書館でものを書いたり、本を読んだりすればいいのに、どうもあの堅苦しい静寂が苦手だ。感泣亭には、父の残した立派な書斎があるし、スペースもある。冷暖房は自分の具合にあわせられるし、好きな音楽を聴ける。よほど便利だとは思うのだが、何だか落ち着かない。思い出してみると、ぼくの「書斎」の半分は喫茶店だった。最初は、浅草のフラミンゴだ。この店は国際通りにあり、今でも2階のバーは残っているはずだ。お神輿で有名な宮本卯之助商店の一つおいた隣にあった。鮮やかな緑色の壁に大きな絵がかかっていた。前金制で濃いフランス風のコーヒーが出てきた。

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蝉時雨緑の中の九品仏

午前中は俳句の会だったが、午後は空いた。すると、家の中に留まっている気にならない。いつもなら、お気に入りのカフェに出かけるのだが、夏休みらしく閉店している。あてもなく自由が丘で降りた。駅前に建築中のビルは開店までまだ2、3か月かかりそうだ。九品仏に行こうと思ったのは、歩き始めてからだ。父の散歩もきっとこんな感じだったのだろうと思った。母親に「どこにいくの?」と聞かれ、「自分にだってわかんないんだ」と答えたという。道道には、瀟洒な住宅が並ぶ。アウディやクーパーミニなどの車が停めてある。所々に、これまた洒落た店もある。美容室だったり、ブティックだったりする。久しぶりの九品仏浄信寺である。

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秋の薔薇古き駅舎の供のごと

東急線田園調布の駅舎である。「駅舎だった」という方が正確だろう。東急線は今は地下ホームになっており、古いこの駅舎は今はモニュメントである。大豪邸が立ち並ぶ田園調布をぼくは好きだ。駅前の窓の大きなカフェで数時間を過ごし、田園調布の町を散策する。それは、時にはぼくの日課のようにさえなっている。。特に夕暮れ時の田園調布の町は美しい。広い庭の奥の洒落た家屋の窓に灯が灯る。。絵本の中にいるような錯覚に陥る。時には、住宅街の中にある画廊でひとときを過ごす。多摩川台公園まで足を伸ばし、台地から多摩川の流れを見下ろすこともある。しかし、負け惜しみではないが、ここに住むのは大変だろうなとも思う。