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キャンバス

俳句フォトエッセイ

蓮の花浄土のままに光りをり

「何という美しさか」蓮の花である。一面の緑の中に浮かび上がる薄桃色の花。見つめれば見つめるほど、花そのものが淡く発光しているように見える。蓮は朝の花だ。午前7時から9時頃までが見頃で、午後には花を閉じる。蓮の花といえば、何と言っても不忍池だ。早起きして、眠い目を擦りながら満員電車に揺られて上野に向かった。メトロ銀座線の上野広小路駅を降りれば、ほどなく不忍池だ。目に入ったのは、一面緑に覆われた蓮池。間違いなく日本を代表する蓮の名所の一つである。その中に薄桃色の花が点々と咲いている。見物人も多い。カメラを担いでいる人もいるが、絵を描いている人もいる。キャンバスには、蓮の葉の緑が躍動している。

俳句フォトエッセイ

浅春の松本芳明写真展

松本さんは、俳句教育の仲間だ。その松本さんが写真をしていることは、知っていたが、これほどとは思わなかった。場所は、西麻布の四丁目。ギャラリーイー&エム西麻布という画廊だ。瀟洒な住宅地の中だが、有名な麻布食堂の真ん前だから分かりやすい。作品は全てモノクロ。「出生地」との題の通り、彼が生まれ育った家を撮ったものだ。彼自身が書いたパンフレットによると、「故郷だが素直にふるさとと呼べない出生地」とある。「暴力をふるうことでしか伝えられなかったことは何だったのか。時代が産んだ人格。しかしその中で父は仏像の絵を描き続けた。そんな父の声を受け止めたいと今は思う。」