俳句フォトエッセイ2026.08.29蓮の花浄土のままに光りをり小山正見「何という美しさか」蓮の花である。一面の緑の中に浮かび上がる薄桃色の花。見つめれば見つめるほど、花そのものが淡く発光しているように見える。蓮は朝の花だ。午前7時から9時頃までが見頃で、午後には花を閉じる。蓮の花といえば、何と言っても不忍池だ。早起きして、眠い目を擦りながら満員電車に揺られて上野に向かった。メトロ銀座線の上野広小路駅を降りれば、ほどなく不忍池だ。目に入ったのは、一面緑に覆われた蓮池。間違いなく日本を代表する蓮の名所の一つである。その中に薄桃色の花が点々と咲いている。見物人も多い。カメラを担いでいる人もいるが、絵を描いている人もいる。キャンバスには、蓮の葉の緑が躍動している。「蓮の葉は毎日姿が変わるんだよ」と創作の苦労を話してくれた。不忍池の一角には、風鈴の棚が設置され、風が吹くと蓮の花に呼応するように一斉に風鈴が鳴り、涼しさを演出してくれる。この界隈では「うえの夏まつり」が開催され、毎日縁日が催される。俳人の伊丹三樹彦に《蓮咲いて風その上をその下を》の句がある。池を渡る風を感じながら、浄土のように光る蓮の花を飽かずに眺め続けた。都政新報7/28付 「暮らしを楽しむ俳句フォト」42
「何という美しさか」
蓮の花である。
一面の緑の中に浮かび上がる薄桃色の花。見つめれば見つめるほど、花そのものが淡く発光しているように見える。
蓮は朝の花だ。午前7時から9時頃までが見頃で、午後には花を閉じる。
蓮の花といえば、何と言っても不忍池だ。
早起きして、眠い目を擦りながら満員電車に揺られて上野に向かった。
メトロ銀座線の上野広小路駅を降りれば、ほどなく不忍池だ。
目に入ったのは、一面緑に覆われた蓮池。間違いなく日本を代表する蓮の名所の一つである。その中に薄桃色の花が点々と咲いている。
見物人も多い。カメラを担いでいる人もいるが、絵を描いている人もいる。
キャンバスには、蓮の葉の緑が躍動している。
「蓮の葉は毎日姿が変わるんだよ」
と創作の苦労を話してくれた。
不忍池の一角には、風鈴の棚が設置され、風が吹くと蓮の花に呼応するように一斉に風鈴が鳴り、涼しさを演出してくれる。この界隈では「うえの夏まつり」が開催され、毎日縁日が催される。
俳人の伊丹三樹彦に《蓮咲いて風その上をその下を》の句がある。
池を渡る風を感じながら、浄土のように光る蓮の花を飽かずに眺め続けた。
都政新報7/28付 「暮らしを楽しむ俳句フォト」42