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タクシー

俳句フォトエッセイ

六月の葛切の味京の味

今日6月11日は、ぼくと妻の結婚記念日である。54年前のことだ。その時、ぼくは東京都の教員の職を得てからまだ2ヶ月しか経っていなかった。結婚式は、神楽坂にあった東京都の教育会館で「祝う会」形式で行った。仲人は大学の研究室の指導教官であった城丸章夫先生に頼んだ。先生は、ぼくの両親に「邦子さんは正見さんには過ぎた人です」と述べたそうだ。僕たちの結婚生活は、結婚式の日のある失敗から出発している。式と披露宴が終わり、その日宿泊する予定の東銀座東急ホテルに着いて初めて気づいた。宿泊のクーポンや切符がなかったのだ。慌てて足立区のアパートまでタクシーで取りに帰った。新婚旅行の行き先は京都だった。

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地をかすめ右へ左へ梅雨燕

この日の鎌倉吟行は、季節が何ヶ月か戻ったように寒い。コートを着て暖かい格好をして出かけたのに、それでも寒い。行きの電車に慌てて乗り込んで座席に座って気がついた。周りが女性ばかりなのだ。「ひょっとして女性専用車?」何となく空気が甘い。香水のほのかや女性専用車次の駅で慌てて逃げ出した。大船駅からタクシーで向かった先は、鎌倉中央公園だった。タクシーの中は天国青葉寒細い道を辿って公園の山崎口につく。降りると寒い。雨が落ちてこないことが唯一の救いだ。柿の木に薄い黄色や白の花が咲いている。リーダー格のMさんが「ちょっと華奢だけど、これが蚊帳吊草かしら」と教えてくれる。

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花の昼五山第一建長寺

2日前の浅草の桜は満開に程遠かった。そんなわけで、鎌倉の桜にもあまり期待していなかった。バスの中から見た若宮小路の桜もさほどでない。だから度肝を抜かれた。見事な桜だ。建長寺の山門をバックに咲き満ちている。取り敢えず一礼をして春の寺あまりの見事さに開いた口が閉まらない。見ると道端に君が代で歌われるさざれ石がある。見たものを何でも句に詠んでいく。枝垂れたる桜の下のさざれ石満開と見えた桜には、よく見るとまだまだ蕾が残っている。満開もまだまだ咲くといふ桜目を周囲にやる。建長寺にはいろいろな建物があり、それぞれの道が続いている。専門道場と書かれた道の奥には桜の木は一本もない。

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タクシーにふんぞり返り秋うらら

武蔵野線の三郷駅前である。ぼくは、毎月一度ここからタクシーに乗る。ふれあい早稲田診療所に向かうためである。ここで、認知症デイサービスの利用者さんの俳句教室を行なっているからだ。一番緊張する時間だが、みんなと一緒に笑いまくる。終わると楽しい。この日は、秋田では熊鍋を食う秋日和この日だけ孫が支払う敬老日などの句が生まれた。秋の夜はすぐ寝ちゃう巨人負けたからの句にはみんな爆笑!タクシーに乗っている時間はわずかなものだ。料金は700円だが、タクシーを利用すると自分がお大尽になった気分になる。車をやめたのは15年前だ。車を所有していると経費がかかる。車代に加えて、保険料や車検、駐車場代も必要になる。