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上野公園

俳句フォトエッセイ

まだまだと田園調布の桜かな

今日は一転して雨模様だが、昨日は雲一つない青空に桜が映えていた。花冷えのおかげで、桜の花の命はわずかに延びているようだ。それにしても、田園調布駅前の桜は勢いが良い。すでに枝の最上部まで花開いている。上野公園の桜では、そのボリュームが20年前と比べると30パーセントから40パーセントも減っているというが、確かに昔の桜はどこでも視界を埋め尽くすほどの花に満ちていた気がする。ご存知のように、ソメイヨシノはクローンである。自然の山桜よりずっと短命だ。弘前城の桜はりんご栽培の技術を使い、剪定を適切にすることで、桜の寿命を延ばしている。しかし、それも時間の問題だろう。

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東京を一気に埋める桜かな

東京の開花は3月19日だった。それから10日ほど、今や桜は満開である。東京の桜の名所は至る所にある。上野公園はもちろん、千鳥ヶ淵の桜も見事だ。目黒川の夜桜は幻想的とも思える。しかし、いかんせん人が多すぎる。ござを敷いての花見など叶うべくもなく、立ち止まることすら難しい場所もあ。昔、日本の桜は山桜だった。種類も多く、咲く期間も幅があったが、それを劇的に変えたのがソメイヨシノである。染井村(現北区駒込周辺)で作られたというこの品種は接ぎ木や挿し木によって増える。つまり、皆同じ一つの命なのである。ソメイヨシノは日本人の桜のイメージにぴったりだった。

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梅雨晴れ間縄文人にまみえたり

上野駅で降り、上野公園への階段を上る。かつてこの場所には、似顔絵描きのキャンバスが並んでいた。テレフォンカードを売り買いする外国人がいたこともある。今は静かだ。広場に向かう桜並木はすっかり葉桜になっている。公園の広場では、フィリピンエキスポ2025というイベントが行われていた。屋台が並び、5人組の女の子のグループが舞台でマイクを握っている。しかし、それを見に来たわけではない。国立科学博物館(科博)の「古代DNA-日本人のきた道-」と題する特別展が目的である。科博に勤めている友人に招待券をいただいている。見逃す手はない。